中川李枝子さん(撮影/鈴木愛子)
中川李枝子さん(撮影/鈴木愛子)

 名作『ぐりとぐら』の作者である中川李枝子さんは、17年間保育士として働いた経験があります。実は作家になるよりも「日本一の保育士」になることが夢だったという中川さんの日経DUALでの連載には、子育てで悩むお母さん、お父さんたちから、たくさんの質問が寄せられました。そのなかでも大好評だった回を収録した『ママ、もっと自信をもって』(日経BP社)から、お母さんたちの切実な悩みと、中川さんの目からうろこな回答を紹介します。

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【Q1】1歳の娘にどう遊んであげればいいかわかりません

 質問者の方は、パート勤務で仕事に復帰した働くお母さんです。旦那さんの仕事が忙しく、子どもと2人きりでいる時間が長いといいます。そんな時に、1歳の娘に何をして遊んであげたらいいのか、わからなくなるそうです。

 中川さんはこの質問を「“遊んであげる”という考え方がおかしい」と、一刀両断。子どもは勝手に遊んで、大人より上手に楽しみを見つけるのだと話します。さらに、子どもは赤ちゃんでも2歳でも子どもと一緒に遊びたいものだと言い、ただし、

「自由に遊ばせておいても、大人は目を離しちゃいけない。子どものまわりには危険がいっぱい。けんかもいたずらも見逃せません。といって過干渉もよくない。子どもは子ども同士の遊びの中で、社会性や協調性を身に付けて一人前になっていく」

 そんな環境の中で、親が安全地帯でいることで、安心してコミュニケーションを取れるようになるとアドバイスしています。

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