機体が円すい状のゲートにヒットした場合、会場は壮観かつ切ない空気に(写真:Getty Images)
機体が円すい状のゲートにヒットした場合、会場は壮観かつ切ない空気に(写真:Getty Images)

 レッドブルエアレース・ワールドチャンピオンシップが6月4日と5日、千葉・幕張海浜公園で開かれる。昨年は日本で初めて開催され、2日間でのべ12万人もの観客が詰めかけたが、今年もまた、東京湾の海上で繰り広げられる空中戦に、大観衆が熱狂することになりそうだ。

 レッドブルエアレース・ワールドチャンピオンシップは今季、7カ国8都市で全8戦が開催され、レースごとの合計獲得ポイントにより年間総合優勝が争われる。最高速度が時速370キロに達することから、「世界最速のモータースポーツシリーズ」と呼ばれている。

 エアレース専用に開発・製造された小型プロペラ飛行機は、高速で飛びながらも機動性は高く、細かなターンでは機敏に動く。もちろん、テレビで見ていてもおもしろいが、生で見れば、その迫力はケタ違いだ。

 飛行機ははるか上空を飛ぶわけではなく、高さ25メートルのゲートをくぐり抜けていくため、まさに“目の前を飛んでいく”ような感覚で、そのスピード感を味わえる。

 操縦しているのは、エアロバティックス(曲技飛行)の元・世界チャンピオンや、元・空軍パイロットなど、世界のトップパイロットたちばかり。しかも、エアレースパイロットはほかのモータースポーツと比べても平均年齢が高く、40代が中心。出場14名のうち最年少でも今年32歳、最年長は何と今年60歳を迎える。

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