魚だけじゃない 築地市場の長靴を履いた“目利き”たち (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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魚だけじゃない 築地市場の長靴を履いた“目利き”たち

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この企画を始めるきっかけとなった、街の鮮魚店(撮影/岩崎有一)

この企画を始めるきっかけとなった、街の鮮魚店(撮影/岩崎有一)

 2016年11月に豊洲への移転を控える築地市場。約80年に及ぶ築地市場の歴史を支えてきた、さまざまな“目利き”たちに話を聞くシリーズ「築地市場の目利きたち」。フリージャーナリストの岩崎有一が、私たちの知らない築地市場の姿を取材する。

 岩崎が築地市場を取材するきっかけとなったのは、街の鮮魚店だ。店頭に並ぶ魚たちは、ほぼ全て築地市場から仕入れられている。そのことに気づいた岩崎は、導かれるように築地市場を訪れることになる……。

*  *  *
 自宅では夕飯の準備を担当している私は、いつも同じ商店街で買い物をしている。夕飯の献立を決めずにそれぞれの店へ足を運び、そこで最も心ひかれた食材をもとに、その日の料理を組み立てていく日々を、もう10年以上続けている。

 通い始めた当初は、特に魚選びが難しかった。旬も分からなければ、鮮度もわからない。名前も味もわからないこともあった。それでも店の人に聞けば、味わいや食べかたを気軽に教えてくれる。アドバイスを元に自分で調理し、1年後に再び同じ素材にチャレンジすることを重ねていくうちに、魚の旬や鮮度、調理法がある程度はわかるようになった。 鮮魚店での買い物には、こうした醍醐味(だいごみ)がある。「このアジは、まだ刺し身でいけますか」「昨日のマカジキ、絶品でした」といった具合に、魚について店の人とコミュニケーションを続けてきたからこそ、自分の目と舌を養うことができた。ご主人の目を通して魚を学んでいくプロセスは、今もって楽しい。


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