・11~12年シーズン(11月26日~2月18日) 4万7279本 


・12~13年シーズン(11月20日~2月23日) 13万2370本
・13~14年シーズン(11月13日~2月7日) 6万8804本
・14~15年シーズン(12月25日~2月10日) 3万2395本

 昨年11月末から今年1月末までの水揚げ高は3528本と、昨シーズンの10分の1程度まで落ち込んでいる。「ひみ寒ぶり」のみならず、ブリ全体の漁獲高も少なく、25年ぶりの不漁だという。氷見魚市場では、冬場になると、1日に数百から1000本のブリが競りに掛けられるが、今シーズンの100本超えはわずか4日しかない(2月5日現在)。

 富山湾の魚について詳しい魚津水族館(富山県魚津市)の稲村修館長は、不漁の原因について、こう説明する。

「周辺海域の海水温の分布に変化がありました。佐渡沖が低く、能登半島沖は高い傾向だった。過去のデータを分析すると、このような年は、ブリが富山湾に回遊しにくい。今冬は富山湾沿岸の魚が少なく、ブリのえさとなるアジやイカなどが少ないせいかもしれません」(稲村氏)
 
 その一方で、他の地域のブリは“豊漁”だ。佐渡沖の水揚げ高は昨年を上回っているほか、鳥取のそれは過去最高を記録している。

 出世魚と呼ばれるブリ。どうやら、今シーズンは富山湾を避けて別のルートを通ったばかりに、高級ブランド魚の「ひみ寒ぶり」に“出世”できなかったようだ。

(ライター・若林朋子)