
今年9月、安部首相が「携帯料金などの家計負担の軽減は大きな課題」だとして、携帯電話料金の引き下げを指示したのは記憶に新しい。総務省は現在、有識者会議で議論を進めており、年内にも具体的な料金引き下げ策をまとめる見通しだ。
確かに、携帯電話料金は年々家計の重荷になっている。総務省の家計調査によれば、携帯電話料金は月額約5300円(2004年)が月額約7200円(2014年)と上昇している。値下げが実現されれば、ユーザーへの恩恵は間違いないだろう。さらに、「格安SIM」「格安スマホ」を提供するMVNO (仮想移動体通信事業者)を普及させ、“横並び”の料金プランに象徴される硬直した携帯電話業界に変化を促すことが狙いだ。
今年5月、他業者のSIMカードを端末に差し替えても利用できるSIMロック解除の義務化を実施。7月には、2年契約の途中で解約すると高額な違約金が発生する「2年縛り」見直しを大手キャリアに要請している。着々とMVNO普及の下地を作ってきたというわけだ。
今回の議論では、MVNOの市場参入の阻害要因とされる、端末購入時のキャッシュバックを規制する見通しだ。さらには、従来よりも音声定額サービスや割安な国際ローミングといった多彩なサービスを提供できるように検討を進めているという。