根性や我慢ではない アスリートが「歯」を食いしばる理由 (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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根性や我慢ではない アスリートが「歯」を食いしばる理由

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安井利一(やすい・としかず)氏 明海大学 学長 博士(歯学) 日本スポーツ歯科医学会 理事長

安井利一(やすい・としかず)氏 明海大学 学長 博士(歯学) 日本スポーツ歯科医学会 理事長

 歯の健康状態がスポーツ選手のパフォーマンスに影響を及ぼすことは、以前から経験的には知られていた。「1986年のロス五輪までオリンピック選手に対する組織的な歯科ケアは行われず、大会後のアンケートでは約25人の選手が、口の状態が悪くてベストな力が発揮できなかったと回答しています。その翌年から特別強化指定選手制度がスタートし、指定選手は歯科検診を受け、適切な治療やアドバイスを受けることになりました。これ以降、歯科トラブルによるパフォーマンスの低下は聞かれなくなりました」(安井氏)

 2020年に向け、事前の歯科検診や指導とともに、大会期間中は選手村に診療所を開設するなど、他の診療科目の医療・医学機関とも連携して取り組んでいく計画だという。

 オリンピック・パラリンピック出場までは目指さなくても、スポーツ中の歯のケガは防止したい。「特に多いのが前歯が折れたり欠けるケースです。これを防止するためには、子どもの頃からマウスガードの使用をお勧めします。自分に合ったスポーツ用具を揃えるのと同じように、自分の歯にぴったり合ったものを作るとよいでしょう。ぜひ、かかりつけの歯科医に相談してください。」(安井氏)  

 もし、歯が抜けたり欠けたりした場合も、適切な処置をすれば自分の歯を再植できる可能性があることを覚えておきたい。 「乾燥させないように、抜けたり欠けた歯を市販の専用保存液、なければ冷たい牛乳に浸し、できるだけ早くを目指して歯科医院に持ち込んでください」(安井氏)  

 トップアスリートを目指す人はもちろん、スポーツを楽しむ人にとっても大切な歯。東京オリンピック・パラリンピック開催で、今後スポーツ歯学がますます注目され、その動向には大きな期待が寄せられる。


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