唯一の不安材料といえば、2010年南アフリカW杯以降、守護神を務めてきたGK川島永嗣がメンバーから外れたことだろう。川島を外した理由は、今年5月にリエージュを退団後、所属クラブが決まらず「長い期間プレーしていない」(ハリルホジッチ監督)からだ。このため、カンボジア戦では、西川周作がゴールマウスに立つ可能性が高い。

 それ以外のスタメンは、DFが右から酒井宏樹、吉田麻也、森重真人、長友佑人、MFはボランチに長谷部誠が入り、その前に香川と柴崎岳が逆三角形で位置する攻撃的な布陣となるだろう。FWには本田、岡崎、武藤嘉紀による4-3-3が濃厚だ。シンガポール戦では左FWに宇佐美がスタメン起用されたが、東アジアカップ以降は疲労のためか精彩を欠くため、マインツで初ゴールを決めて好調を持続する武藤が先発に名を連ねるだろう。

 一方、DF陣は長友の復帰とCBに吉田、ボランチに長谷部が入ることで安定するだろう。不安があるとすれば、右DFの酒井宏。このポジションは酒井高徳ともども、国内リーグに代わる選手がいないのがネックである。とはいえ、カンボジアやアフガニスタンに失点することは論外だ。長友と酒井宏には、攻守にアグレッシブな上下動で相手を圧倒することを期待したい。

 ハリルホジッチ監督は引いて守る相手を想定し、ミドルシュートやロングシュートの必要性も強調していた。長谷部や柴崎が果敢にゴールを狙う姿勢が見られるかどうかにも注目したいところだ。

サッカージャーナリスト・六川亨)