(1)読者にわかる表現を

 文章には必ず読者の存在があり、読み手に理解してもらう内容にするのが不可欠。たとえば、大学教授や医師、法律家など「先生」と呼ばれる人々は、一般読者に理解不能な専門用語・略語を多用する傾向がある。また“世代間格差”にも気を配るべきだ。

(2)“見せ場”の演出方法

 淡々と事実を書き連ねることも大切だが、自分史の中でクライマックスとなる“見せ場”では、できるだけ細かな情景描写を心がけ、ときには周囲にいた者の会話をはさむと、臨場感ある文章となる。

(3)口述筆記でよりまとまりある自分史に

 最も簡単に自分史をまとめるため、まず「お好みのつまみ」「好きなお酒」「録音機(ICレコーダーなど)」の3点を用意すること。紙やパソコンなどに向かって原稿を書き進めようとしても「さて、どう書こうか」と悩みがち。しかし、親友や配偶者、お小遣いをあげれば話を聞いてくれる子や孫とリラックスした状態で昔話をすれば、自然な形で自身の歴史が振り返れる。録音した内容を文字に起こしながら、文章の順番や書き出しなどを考えていけば、よりまとまりのある自分史となる。

 自叙伝、半生記というと、年配の人が書くイメージもあるが、新卒者による就職活動の「自己分析」では、人生を振り返りながら自分の長所を見つけ出すという手法がある。ここで挙げたまとめ方を参考に、自分はどのようなことをしてきたか、そのとき何を思ったか、などと過去を振り返ってみてはいかがだろうか。