「親の方からこうしろ、ああしろといったことはありませんね。私自身山口の自然の中で育ったので、山や川、田んぼで遊んだ経験を子どもにもしてもらいたいと思っていたぐらいです。ただ、身近に田原さんという存在があり、結菜の発想や取り組みをすごくほめてくださって、それがやる気を高めてくれたのは間違いないですね」とのこと。もともとカエルへの興味をもたらしてくれたのも、田原さんだった。

 中学進学と同時に科学部に入った結菜さんは、現在のところ「博物館の学芸員になりたい」という夢も持っている。それに対して聖子さんは「生活のために働くのではなく、やりたいことをまず考えて、それを仕事にして欲しい」と願っている。

「やってみたい」という子どもの気持ちを尊重し、見守ること。そして外部に子どもの意欲を持続させるアドバイザーを持つこと、それが小学6年生の小さな科学者誕生の背景のようだ。10年後の結菜さんの活躍がいまから楽しみだ。

※注 自然保護と生物多様性保全に貢献した、子どもから大人までのすべての個人と団体、企業、自治体の優れた取り組みを顕彰する。(島ライター 有川美紀子)

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日本自然保護協会 日本自然保護大賞 子ども・学生部門
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/award/2015/03/post-4.html#06