日本に来た際の観光目的は何でしたか?(株式会社リクルートライフスタイル調べ)
日本に来た際の観光目的は何でしたか?(株式会社リクルートライフスタイル調べ)
実際に食べたメニューでおいしかったものはなんですか?(株式会社リクルートライフスタイル調べ)
実際に食べたメニューでおいしかったものはなんですか?(株式会社リクルートライフスタイル調べ)

 東日本大震災の影響で一時激減していた外国人観光客数だが、時間の経過と共に順調に回復している。円安の進行や、大型クルーズ船の寄港、10月からの消費税免税制度の拡充などもあり、訪日旅行者数は過去最高を超える数字を記録し続けている。

 日本政府観光局によると、2014年の1月から11月に日本を訪れた外国人の数が、1200万人を超え、年間では1300万人を超える見込みだという。さらに、5年後には東京オリンピックの開催もあり、政府は「2020年の訪日観光客は2000万人超を目指す」と鼻息が荒い。

 そんななか、株式会社リクルートライフスタイルが雑誌「HOT PEPPER」で、日本を訪れる観光客数で上位6位までの国と地域(中国、台湾、香港、韓国、タイ、アメリカ)で、過去1年以内に日本を観光目的で訪問したことのある600人(各地域100人)に対してアンケート調査を実施した結果、外国人観光客の旅行目的や、日本食について意外な事実がわかった。

 まず、日本を訪れる外国人は、何を目的に日本に来ているのか? 「カワイイ」が世界共通語になる勢いで外国人に浸透していくなか、買いものが目的なのではと考える人も多いだろう。また、日本らしさという意味でも寺社巡りの人気は相変わらず高いといえそうだ。「オタク文化」の浸透と定着によって、秋葉原人気も衰えを知らないはずだろう。

 ところが、日本に来た本当の観光目的を実際に聞いてみると、買い物や寺社巡りを押さえてトップに選ばれたのは「日本食を楽しむ」という結果だった。「和食」が世界遺産に登録されたこともあり、なるほど! と思うところだが、「どんな飲食店で食事をしましたか?」という質問に対して、1位に選ばれたのは、なんと「ラーメン」だったのだ。

“外国人が好む日本食”といえば、かつては寿司や天ぷらが定番のイメージだった。実際に外国からお客さんを迎える際には、お寿司屋さんや天ぷら屋さんをリサーチする人も多いだろう。だが実際には、行った店ばかりでなく「食べてみて美味しかったメニュー」としてもラーメンは1位に選ばれており、その浸透ぶりが伺えた。

 国・地域別にみても、ラーメンは中国を除く全ての国と地域で上位3位以内に入り、香港、台湾、タイ、アメリカでは1位。なかでも香港は半数近くが支持する結果となっている。日本で独自の進化を遂げたラーメンは、訪日観光客にとって寿司・天ぷらに代わる「日本食の定番」になってきているといえそうだ。

 他に、7位に選ばれたカレーライスも、日本で独自の進化を遂げたメニューとして人気を博したようだ。また、とんかつやお好み焼きといった、日本独自のソース味メニューの人気も高いし、若い人の間ではファストフードの牛丼も昔からかなりの人気メニューだ。日本人が勝手に抱いている「外国人はこれが好き」のイメージとは違い、“高級食”ではなく、いわゆる“大衆食”を楽しみたいという外国人が増えているということだろう。

 これから益々増えることが予想される訪日外国人観光客。“おもてなし”を考える上で、ぜひ参考にして欲しい。