血税投じたデータにタダ乗り? アマゾンが国会図書館使って電子書籍販売 (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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血税投じたデータにタダ乗り? アマゾンが国会図書館使って電子書籍販売

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■kindle事業は、そもそも日本で何の税金も払っていない

 消費税が課税されるか否かは、物品を販売する場合、購入者の所在地が国内か国外かが判断基準となる。物品ではなくサービスを提供する場合は、提供者の所在地が国内か国外かで、課税されるか否かが分かれる。

 楽天と並んで日本でも電子商取引の巨人となったAmazonは、物品(たとえば紙の書籍)を日本国内で販売する際には販売価格に消費税相当額を上乗せし、日本で消費税を納めている。しかし、「形の見えない商品」である電子書籍や音楽のデジタルデータについては、物品の販売ではなく「電子書籍や音楽を視聴するサービスの提供」であり、「データの配信会社が日本にない=消費税の徴収義務はない」としている。つまりデジタル商品の仕入れ値が同じだとすると、国内の一般電子書店が負わされている8%の消費税分、価格を安くできるわけだ。電子書籍の領域において、「Amazonひとり勝ち説」はかなり以前から聞かれるが、最初から価格で8%の差があるというのは大変なアドバンテージである。

 また、この事業に関する一般的な法人税にしても、日本では払っていない。

 もちろん、「Amazonはずるい」と国内の電子書店が合唱しようにも、今の日本の税法上は問題なく「だったら、あなたたちも国外に事業を移せば?」と言われるのが関の山なのである。

■法律には違反していないが……

 であれば、今回の件は全然問題は無いのだろうか? 確かに法律上問題はないとしても、事情を単純に言い換えれば、「国民の税金を使って国が電子化したデータをAmazonがそのまま流用し、売上があがっても日本に対する税金は一切払わない」という話なのである。

 読者としては安い本が買えれば嬉しいけれど、自分納税した税金の成果が外国に一方的に流れて自分の国に帰ってこない……といったところか。

 もっとも国の側も、手をこまねいているわけではない。内閣府では、国際課税ディスカッショングループが「国境を越えた役務(サービス)の提供に対する消費税」について検討をしており、これに関する国際課税が法案として成立すれば、このようなねじれた事象はある程度解消するはずだ。

 世界中のネットで活況を呈すコンテンツ事業においては、影響の大きな法律改正だけに、今後の進捗が注目されるところだ。


【関連リンク】
kindleアーカイブ
http://www.amazon.co.jp/b/ref=ka_shorturl?&node=3311912051


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