レクサス副社長が語る「レクサス成長戦略」の真実

2014/08/05 11:30


●注目の新型コンパクトSUV「NX」は真のラグジュアリーを求める若い人に乗ってもらいたい車

 とはいえ、高級車の概念も昔に比べ大きく変わっているのも事実であろう。高級感のあるコンパクトカーが欲しいという需要が市場にあるがゆえに、メルセデス・ベンツもBMWもアウディも小型化を試み、そして成功しているのだ。そもそもレクサスですら「CT」という小型車を出している。そんな中、「他社の小型車はブランドの魅力を損なっていて、レクサスの小型車はそうでない」と言い切れるのだろうか。

「たしかに我々も新しい高級車の顧客層にリーチしようとしています。その結果が、日本と欧州向けの若干小さなハイブリッドカー『CT』であり、販売が開始されたばかりのコンパクトSUV『NX』です。特に『NX』はレクサスの新しいお客様をつかむに十分な車に仕上がっています。誤解なきように言うなら、我々は決して小さい車を出さないと言っているわけではないのです。そうではなく、品質やグレードを下げてまで安い車を出すつもりがまったくないのです。我々はトヨタブランドの領域に入るまでの車を出す必要がないですから。具体的に言うと、3万ドル(300万円)以下の車を出すつもりはまったくないわけです。その価格で出すなら、レクサスが必要とする部品すら買えないですからね」

 テンプリン氏が“偉大な車”と表現する新車種「NX」は、7月29日に発売されたレクサス初のコンパクトクロスオーバーSUVだ。レクサス初の新開発ターボエンジンを搭載した『NX200t』と、ハイブリッドシステム搭載の『NX300h』をラインアップし、価格はNX200tが428万円~518万円、NX300hが492万円~582万円となっている。

「我々は若くて、真のラグジュアリーを求める層にもっと訴えかけていきたいと考えています。そのひとつの答えが、『NX』だと言えます。まず、小型のラグジュアリーSUVは今、世界中でもっとも急速に伸びているセグメントです。その分野で今回、この“偉大な車”を出せるわけです。

 すでに、日本でも非常に需要があり、当初、考えていたより注文数は8倍以上に伸びていますし、アメリカ、欧州、中国、南米でも予定以上の受注が集まっています。今や各社がラグジュアリーなSUVを販売し、大きな市場となっていますが元々、この分野はレクサス『RX』の誕生とともに始まったものですからね。みなさん、そうしたことがわかっているので、我々が“小型バージョン”を出すことに、とりわけ大きな注目が集まっているのでしょう」

 2013年のグループ世界販売台数が998万台となった“大トヨタ”の中にあり、独自のブランディングで、世界のラグジュアリーブランド市場で戦うレクサス。注目の「NX」に続いて、秋以降には新型2ドアクーペ「RC」も発売予定となっているが、いずれも競合他社のように“手に届く高級車”という大衆化路線とは一線を画すことになるようだ。目先の利益ではなく、数十年先のブランドとしてのあり方を重視するレクサスの成長戦略は、果たして吉と出るだろうか。

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