威風堂々としたピークトラベルのチェスターフィールドコートが、スーツの洒脱な着こなしに紳士的な品格をもたらす。
<br />(コート¥114,450/ハケット・ロンドン)
威風堂々としたピークトラベルのチェスターフィールドコートが、スーツの洒脱な着こなしに紳士的な品格をもたらす。
(コート¥114,450/ハケット・ロンドン)
英国スタイルを継承しながら現代性を表現する。その具体例が、このネイビーのチェスターフィールドコート。
<br />(¥73,500/バーバリー・ブラックレーベル)
英国スタイルを継承しながら現代性を表現する。その具体例が、このネイビーのチェスターフィールドコート。
(¥73,500/バーバリー・ブラックレーベル)
斜めにつけた腰ポケットやくるみボタンでブリティッシュテイストが強調されたデザイン
<br />(¥115,500/ニューヨーカー バイ ケイタ マルヤマ)
斜めにつけた腰ポケットやくるみボタンでブリティッシュテイストが強調されたデザイン
(¥115,500/ニューヨーカー バイ ケイタ マルヤマ)

 ここ数日都内の木々も色づき、街もすっかり秋の装いとなった。来るべき冬に備えて朝夕の通勤時にそろそろ厚手のコートをと考えているビジネスマンも多いことだろう。高価な買い物となるだけに慎重に品定めしたいところだ。

 ビジネスマン向けファッションスタイルマガジン「AERA STYLE MAGAZINE」が、日本を代表するビシネス街「丸の内」の企業で働くビジネスマンを対象に行った調査によると、ビジネスマン向けのコートのトレンドが、近年変化してきていることがうかがえる。

 まず、「コートを購入する際に重視すること」として、「価格や色」、「デザイン」が上位に来るのは当然として、「ブランド(29.4%)」と回答したのと同程度に「耐久性(24.8%)」との回答があった。さらに「何年くらい着たいですか」との問いには、「6年以上」と回答した人が3割ほどあり、その中でも「10年以上利用したい」との回答がなんと13.3%もあった。
また、「どんなコートを買いたいですか」との問いに対して、「ステンカラーコート」や「トレンチコート」など、ここ数年人気のあったコートを上回る支持を得たのは、伝統的な「チェスターフィールドコート」。流行に左右されないクラッシックなフォルムな英国調コートがあらためて人気を集めているようだ。

 調査を実施した「AERA STYLE MAGAZINE」の山本晃弘編集長によれば「コート、バック、時計など若い人であっても、とにかく長持ちするいいものを持ちたいという傾向が見られる。」という。企業業績が上向き、少し明るい話題も聞かれるようになったここ最近、特にその傾向が顕著にあらわれているらしい。
「ビジネスマンに好まれているのは、『贅沢な品物』ではなく『良い品物』。コートやスーツなら高価だけれど百貨店で買えるもの。時計なら何百万円以上もする超高級品ではなく、価格で言えば20~30万円くらいで、品質が高く、長く愛用できるものです。」
また、中高年サラリーマンには懐かしく感じられる、シャツやハンカチへの「名入れ」も若いビジネスマンの間ではやり始めているという。良い品物に名前を入れて大切に長く使いたいという気持ちのあらわれだろう。

 それにしてもこれまでは「少し『オジサン』っぽい」と中高年サラリーマン自身も自覚していた、チェスターフィールドコートや名入れなどが、若いビジネスマンに支持されているというのは少し意外な感じがする。

「ここ数年で震災や政権交代があり、世相の変化を多くの人が感じ始めた結果、これまでの価値観や消費行動を自ら再点検し始めたんだと思います。『目立ちたいから』、『モテてたいから』という理由で着るモノを選ぶのではなく、もう少し堅実になったと言うことでしょう。どうせお金をつかうなら、数年後には着られなくなるモノより、長く着られるモノが欲しい。そうすると耐久性があり、ベースは普遍的なデザインとなります。こういった要求を満たすモノということでチェスターフィールドコートをはじめとする英国ファッションが注目されているのです。大人が使っている良い品に若い人たちが注目し始めたということですね」と山本編集長は語る。

 アベノミクスで経済的には上向きになりつつあるが今後の日本は、低成長が基調の成熟期となるだろうことを若手ビジネスマンも感じている。経済的な成熟期を先に迎えた英国の生活スタイルやファッションがお手本になるということだろう。

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創刊5周年「AERA STYLE MAGAZINE」の最新号の特集は「大人良品のススメ」(AERA STYLE MAGAZINE blog)
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