あなたの食卓がレストランに?
あなたの食卓がレストランに?

 「夫は外、妻は内。」こうした夫婦の役割分担についての考え方が、古来日本には存在している。近年、女性の社会進出が進み、こういった意識も変化したかと思いきや、まだまだ根強くあるようだ。

 内閣府が2012年10月に実施した「男女共同参画社会に関する世論調査」では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきであるか」という質問に対し、「賛成」と答えた人の割合が51.6%と半数以上にのぼった。

 また、同調査の「育児・介護以外の家事についてどのような形で評価することが必要だと思うか」という問いには、「手当の支給や税制上の優遇などで経済的に評価する」(23.7%)、「表彰などで社会的に評価する」(11.3%)という結果に。

 「食事を作ったり、洗濯をしたりするのも立派な仕事。日々の働きに対しての正当な評価、さらには金銭的な報酬もあってよいのでは?」という気持ちが調査結果からうかがえる。
 そうした要望に応えるユニークなサービスが登場した。

 5月20日にオープンした「KitchHike(キッチハイク)」は、料理を提供したい人とその料理を食べたい人をマッチングさせるサービスを提供するサイト。自身提供したいメニューを登録し、日付・値段を設定すると、それを食べたい人から予約が入るという仕組み。あたかも日々の家庭の食卓に海外からのお客様を招き入れるような設定だ。サイトには、すでに世界8カ国37の食卓が登録されている(5月22日現在)。世界中の旅行者の“旅をおいしく”するお手伝いをするという。

 たとえば、東京都墨田区にいる夫婦は、すき焼きやたこ焼きなどの日本料理と日本酒がいっしょに楽しめる食卓を80ドルで提供する。ほかにも、お菓子作りが得意な女性は、カフェのような空間を演出するテーブルコーディネートを含めて80ドル。日本のお弁当文化を外国人に伝えようとおにぎりパーティーを開催する女性は15ドルなど、食卓の雰囲気もさまざまだ。

 登録は無料で、集客や決算、サポートはKitchHikeが行う。予約が成立するとお金が発生するので、お小遣い稼ぎにも最適だ。このサイトを通じて、自分の料理のファンが世界中に……なんてことも夢ではないかもしれない。

【関連リンク】
KitchHike(英語のみ)
https://kitchhike.com/