実はいま、とあるメールマガジンが話題だ。月2回という少ない発行頻度で、月額500円とメルマガとしては安価とはいえない価格設定。しかしながら、発行直後から異例の勢いで購読者数を伸ばしている。お笑い芸人の水道橋博士が発行している「水道橋博士のメルマ旬報」だ。“大人のコロコロコミック”“子どもの文藝春秋”を目指したというこのメルマガ。その人気の理由を探った。

 まずその最大の特徴は、圧倒的なボリューム。なんとメルマガでありながら10万字にも及ぶ文章量を誇っており、「受信文字数に制限があるメールアドレスでは全文が受信できない可能性があります」という注意書きがなされるほど。時には1通では収まり切らず、2~3通にわたって展開されることもある。このボリューム、確かに立ち読みするには重すぎる重量を誇った「コロコロコミック」を思わせる。

 そしてもうひとつ目を引くのが、その執筆陣だ。水道橋博士による3万字におよぶコラムを筆頭に、書評家の杉江松恋氏、元K-1プロデューサー谷川貞治氏、ゲームクリエイターの柴尾英令氏など、水道橋博士が厳選したバラエティ豊かな執筆者が一堂に会す。直近の11月25日に発行されたものに関して言うと、12人の執筆者がひとり1コンテンツを担当し、水道橋博士のコラムを合わせて全13のコラムが盛り込まれており、その内容の濃さからかメルマガは前・中・後編に分けられている。

 この雑誌並みのコンテンツと文量が月2回送られてくることを考えると、500円は必ずしも高額とは言えないかもしれない。それにこれだけの内容なら、1日や2日で読むのではなく、毎日少しずつ読み進めるスタイルになりそうだ。月2回という発行頻度も丁度いいように思える。

 また、メルマガというスタイルも読者にとっては都合が良い点が多い。電子書籍のように専用端末が必要なわけではなく、スマホや携帯電話から読むことができる。通勤電車の中やちょっとした空き時間に読むのにはうってつけだ。また定期的に送られてくるため、買い忘れて読み損ねるということもない。

「コロコロコミック」並みの“分厚さ”を誇り、「文芸春秋」のように多彩な執筆陣の作品を読むことができる。加えて、現代人の生活スタイルにもフィットしたメルマガというスタイル。人気の秘密はこうしたところにあるのかもしれない。

【関連リンク】
水道橋博士のメルマ旬報
http://www.webdoku.jp/premium/merumaga/page/s_hakase.html