●挨拶をされたら、必ず返す

 挨拶は、相手の存在を認め、自分の存在を認めてもらうことです。挨拶をしてくれる人には、必ず挨拶を返すように教えます。

 挨拶を返さないと無関心だと思われます。無関心は「相手の存在はどうでもいい」というメッセージになり、最も相手を傷つけます。お互いに挨拶を交わし合うのはコミュニケーションの基本です。

●気持ちをこめて

 挨拶の「挨」には「心を開く」、「拶」には「相手に近づく」という意味があるそうです。挨拶をするときはその言葉の意味を思い出しながら、相手の顔を見て、気持ちをこめて声をかけるように心がけます。

 子どもにはスキンシップをまじえて、ハイタッチやハグをしながら挨拶をすると、とても喜びます。

 スキンシップをとることで、先にも触れた愛情ホルモン「オキシトシン」の分泌をうながせるというメリットもあります。

●できなくても責めない

 子どもが挨拶をしないときには、「恥ずかしい」「照れくさい」「素直になれない」といった思いがあります。けれどもそこで、「どうして言えないの?」と強要したり叱ったりすると、子どもはかえって反発し、挨拶をすることが楽しくなくなってしまいます。他の子と比べてできないことを責めるのも逆効果で、かえって萎縮することもあります。

 挨拶が苦手な場合にはあせらず、「〇〇ちゃんちに着いたら最初になんて言おうか?」と心の準備をうながしたり、蚊の鳴くような声でも挨拶ができたら一緒に喜んであげるなど、子どものペースに合わせるようにします。

(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』からの抜粋です)