●【傾向6】あれほど不人気なマイナンバーカードに興味がわいてきた

 いまだ普及率が10%台にとどまるというマイナンバーカード。「個人番号が書かれたカードをつくるなんて、情報漏洩が不安じゃないか!」という声に押されているようだが、最近興味がわいてきたという人もいるのではないか。それは、現在のポイント還元事業終了後に、新しい制度が始まるからだ。

 マイナンバーカードの所有者がIDを取得し、それを使用して電子マネーやスマホ決済アプリをチャージすると、25%の「マイナポイント」が付与される。2万円を入金すると5000円分のマイナポイントがつくというわけだ。

 25%というとかなりの大盤振る舞いだ。決済サービス事業者カンムの調査によると、「マイナポイントを使いたい」と答えた割合は20歳以下で7割ほど。その8割以上が、ポイントバックが魅力だからと答えている。あれほど不人気だったマイナンバーカードが好意的に迎えられるとは、やはり還元率は人を惑わせるということか。

 以前はセキュリティが不安だと言っていた人でも、心が揺れてしまうのが高い還元率。これまで関心がなかったのに「いい機会だし、マイナンバーカードをつくろうかな」と傾いてしまったとすれば、あなたは還元率にかなり弱いタイプという証拠だ。マイナンバーカードをつくること自体はいいとしても、この手の人は各種キャンペーンにおける「うっかり消費」のリスクがかなり高いと思われるため、注意が必要だ。

●その消費は本当に必要?キャッシュレスの光と影

 キャッシュレス決済には光もあれば影もある。たくさんのポイント還元を受けるためには、たくさんの消費が必要だ。本当に必要な消費をしたのか、還元策に釣られた結果なのか、その違いは大きい。無自覚のうちに必要以上のお金を払っていないか、我が身を振り返ることも大切なのだ。

(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)