年間予算といえば、お金をしっかり貯めている人(家計)ほど、予算を立てて貯金(運用含む)している傾向があります。そして事前の計画通り、「手取り収入-支出=年間貯蓄額」という計算式を成り立たせています。
予算を立てる前にまず行うことは、昨年の反省です。昨年1年間の貯蓄額(運用益は除く)は計画通りか、予算で立てた「手取り収入-支出=年間貯蓄額」が成り立っているか、検証しましょう。成り立たなければ「使途不明金」があるのですから、その使途不明金を洗い出すことからスタートです。
使途不明金が把握できたら、その使途は「WANT(欲しい)」か「NEED(必要)」かの仕分けを行います。NEEDであれば、予算化されていなかった金額があったことがわかり、「WANT」であれば単なる無駄遣いになります。この仕分けは使途不明金だけではなく、家計全般を見直す際にも役立つことでしょう。WANTが多い人ほどお金が貯まらない家計になりがちなので、WANTを上手にコントロールすることがお金を貯める鍵になります。
WANTもさることながら、支出を見直す際のポイントは支出項目の中に1つ「聖域」を設けることです。支出を減らす最も簡単な方法は、全支出項目で一律20%などのカットをすることです。しかし、この方法は簡単ですが、長続きするケースはまれです。本来はカットするのが難しい項目でも支出を抑えてしまうため、我慢でストレスがたまってしまうのです。
そこで、支出項目の見直しには、メリハリをつけることが大切です。例えば、健康に留意して食にこだわりたいから食費は削らない、あるいは趣味の観劇は気分転換に必要だから削らないなど、聖域を設ける分、他の支出項目は多めにカットするのです。あるいは、カット割合を支出項目ごとに変えて、貯蓄(貯蓄を上乗せするため)の原資を捻出します。
再び話を予算に戻しますが、年間予算が決まったら年間貯蓄額を12ヵ月で割って、毎月の貯蓄額を計算して、後は先取り貯蓄が鉄則です。給与が振り込まれる日から、間を置かずに口座引き落としをして、残金で生活するスタイルで家計をやりくりしましょう。
ここまで書くと「意外と地味な方法」と思われるでしょうが、お金を貯めるための第一歩は積立貯蓄です。積立貯蓄には、裏技や逆転ホームランはありません。地道にコツコツ、継続は力なりと覚えておいてください。積立投資も同様、地味な作業を長期に続けることが資産形成の王道なのです。