「別れる」をしっかり行ってこそ、雑談上手、コミュニケーション能力の高い人になれるというわけです。さっそく説明しましょう。
●「後味のよさ」をつくるためのひと言
「後味のよさ」をつくる 雑談の基本型における最後のステップは、話し終えて「別れる」、つまり雑談を切り上げる(終わらせる)というプロセスです。
たとえば、エレベーターに乗り合わせた顔見知りと、あいさつし、会話をし、気づまりになりがちな密室空間の空気がほぐれて、降りる階に到着したら、
「じゃあ、また」(同じ階で降りるなら)
「いってらっしゃい」(相手が先に降りるなら)
「では、お先に」(自分が先に降りるなら)と、サクッと切り上げて別れる。これだけです。
ポイントは、「別れ際のひと言をしっかり言うこと」だけ。
話を切り上げるための理由をくどくどと述べる必要もなく、次の会話の約束も必要ありません。
タイミングが来たら、「じゃあ」と切り上げる。
この終わり方の潔さが、雑談ならではなのです。
具体的な会話の例でみてみましょう。
あなた 「おはようございます」
相手 「あ、おはようございます」
あなた 「今日も寒いですね」
相手 「しかも夕方から雨らしいですよ」
あなた 「ええ、だから一応折り畳み傘、持ってます」
相手 「さすが、用意がいいですね」
あなた 「でしょ(笑)。じゃあ、また」 ← 話が途中でもサクッと切り上げる
打ち解けたい気持ちを伝え、打ち解けようと行動し、打ち解けたら、最後は気分よく、そして潔く別れるのです。
「じゃあまた」
「ではまた」
この2種類を、相手によって使い分け、ひと言放ったらサッとその場を立ち去る。
「じゃあまた」と別れた後、少しだけ物足りない気持ちになることがあります。
お互いに「もう少し話していたかったな」と感じ、そこから「次に会ったときも声をかけよう」とか「また会いたいな」という気持ちになる。
雑談の締めくくりは、次につながる好印象を残すチャンスでもあるのです。