なぜ、メルトダウン事故は、半世紀以上「マル秘」にされたか?――広瀬隆×堀潤対談 (2/3) 〈ダイヤモンド・オンライン〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

なぜ、メルトダウン事故は、半世紀以上「マル秘」にされたか?――広瀬隆×堀潤対談

このエントリーをはてなブックマークに追加
広瀬隆(Takashi Hirose)
1943年生まれ。早稲田大学理工学部卒。公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図的で衝撃な事実を提供し続ける。メーカーの技術者、医学書の翻訳者を経てノンフィクション作家に。『東京に原発を!』『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』『クラウゼヴィッツの暗号文』『億万長者はハリウッドを殺す』『危険な話』『赤い楯――ロスチャイルドの謎』『私物国家』『アメリカの経済支配者たち』『アメリカの巨大軍需産業』『世界石油戦争』『世界金融戦争』『アメリカの保守本流』『資本主義崩壊の首謀者たち』『原子炉時限爆弾』『福島原発メルトダウン』などベストセラー多数

広瀬隆(Takashi Hirose)
1943年生まれ。早稲田大学理工学部卒。公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図的で衝撃な事実を提供し続ける。メーカーの技術者、医学書の翻訳者を経てノンフィクション作家に。『東京に原発を!』『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』『クラウゼヴィッツの暗号文』『億万長者はハリウッドを殺す』『危険な話』『赤い楯――ロスチャイルドの謎』『私物国家』『アメリカの経済支配者たち』『アメリカの巨大軍需産業』『世界石油戦争』『世界金融戦争』『アメリカの保守本流』『資本主義崩壊の首謀者たち』『原子炉時限爆弾』『福島原発メルトダウン』などベストセラー多数

堀潤(Jun Hori)
元NHKアナウンサー、1977年生まれ。 2001年NHK入局。「ニュースウォッチ9」リポーターとして、おもに事件・事故・災害現場を取材し独自取材で他局を圧倒。2010年、経済ニュース番組「Bizスポ」キャスター。2012年、米国ロサンゼルスのUCLAで客員研究員、日米の原発メルトダウン事故を追ったドキュメンタリー映画「変身 Metamorphosis」を制作。2013年、NHKを退局しNPO法人「8bitNews」代表に。現在、TOKYO MX「モーニングCROSS」キャスター、J-WAVE「JAM THE WORLD」ナビゲーター、毎日新聞、「anan」などで連載中。2014年4月より淑徳大学客員教授

堀潤(Jun Hori)
元NHKアナウンサー、1977年生まれ。 2001年NHK入局。「ニュースウォッチ9」リポーターとして、おもに事件・事故・災害現場を取材し独自取材で他局を圧倒。2010年、経済ニュース番組「Bizスポ」キャスター。2012年、米国ロサンゼルスのUCLAで客員研究員、日米の原発メルトダウン事故を追ったドキュメンタリー映画「変身 Metamorphosis」を制作。2013年、NHKを退局しNPO法人「8bitNews」代表に。現在、TOKYO MX「モーニングCROSS」キャスター、J-WAVE「JAM THE WORLD」ナビゲーター、毎日新聞、「anan」などで連載中。2014年4月より淑徳大学客員教授

堀:ぼくはサンタスザーナのことを、日本の50年後を考えるうえで重要なモデルケースになるし、大事なテーマだと思って企画しました。
しかし日本では、因果関係をアメリカ政府が認めないと、なかなかむずかしいことです。

広瀬:そんな因果関係をアメリカ政府が認めるわけがない。それでも警告を出すのがジャーナリストの責任ですよね。

堀:50年後の日本で健康被害が出ないことを願ってやみませんが、もし仮に何かあったときに「補償してほしい」と言っても、「原発事故が原因とは判断できない」と断られるのが関の山でしょう。だからサンタスザーナの教訓を学ぶべきと取材を重ねたのですが、結局、無理でした。

●上映会を自由にやってみたい

広瀬:取材した映像はお蔵入りになったのですか?

堀:いえ、そうするわけにはいかないと映画にしました。
1959年のサンタスザーナ、1979年のスリーマイル、2011年の福島、3つのメルトダウン事故をテーマにドキュメンタリー映画をつくりUCLAの専用シアターで発表しました。

広瀬:反響はどうでしたか?

堀:2回上映しても入りきれないくらい満杯になりました。そのとき週刊誌の『フライデー』(講談社)の記者も取材してくれまして、その記事に「市民上映会の企画」も紹介されたのですが、映像は私がNHK職員として撮ったものだから、自主的な上映会はできなかったです。

広瀬:えっ!

堀:民主主義を標榜する日本にあって、しかも民主主義の発展のためにジャーナリストになった自分ですから、どのような問題でも自由に伝えられるようにならなければならないと思って、ぼくはNHKを辞めることにしました。そして、自分でドキュメンタリー映画「変身 Metamorphosis」を制作したのです。

広瀬:そうでしたか。私も30年以上、一貫して原発問題に取り組んできましたが、1980年代までは、どこのテレビ局も原発問題を深く掘り下げてくれました。ディレクターの人たちも私に好意的で、内部の資料を「広瀬さんには見ておいてもらいたい」といって見せてくれたほどです。

一方、私はアメリカなど海外から直接得た情報や、被害者の証言を伝え、お互いに事実を知るためには協力関係にありました。
それが15年くらい前から、本当の問題を伝えなくなった。これは新聞、テレビ、雑誌はじめすべてのメディアに言えることです。

もちろん広瀬隆なんて危険物扱いで、一切意見を言わせない。そういう中で起きたのがフクシマの事故です。異論を唱える人間の言葉を聞かないようにメディアが変わってしまった原因がなぜかわからないけれど、そういう中で堀さんのように、当たり前のことを言えるスターが出てきてくれたのはすごくうれしい。

堀:そう言っていただくとありがたいです。でも問題があるなら、そこに突っ込んで取材をし、課題を洗い出して解決するための知見を集める。ファクト(事実)の追及は当たり前のことなのに、原発の話になると途端に口を聞いてもらえなくなったり、思想が偏っていると思われたり、大変です。だからぼくも自由に活動して、ドキュメントを制作したくなったのです。

広瀬:堀さんが主宰している「8bitNews」という市民参加型メディアについてくわしく教えてください。

堀:市民参加型のメディアが必要だなと思ったのは、大手のマスメディアが取り扱えなくても、現場の市民がそれぞれ情報を打ち上げてくれればいい、と思ってのことです。

広瀬:堀さんはいま日本全国の方から情報を集めて、発信しているのですね。

堀:そうです。8bitNewsに、YouTubeにアップロードしたニュース映像を送ってもらいます。それをネットの中だけで終わらせるのではなく、ぼくがやりたいのは「パブリック・アクセス」つまり市民が公共の資源・財産にアクセスする権利、市民が自主的に番組づくりに参加する市民メディアなので、テレビやラジオ、ウェブニュースに配信するという環境をつくります。それがだんだん軌道に乗ってきたところです。

広瀬:その市民の動きは、明日への大きな希望ですよ。


トップにもどる ダイヤモンド・オンライン記事一覧



おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事
あわせて読みたい あわせて読みたい