普段使っている言葉でも、セールス・販売の現場では、致命傷になることがあります。それを知っているだけでも、セールスの成功率は変わります。ご自身の買い物経験と照らし合わせて、セールストークの重要性を考える機会にしてください。
7月17日発売『セールスは1分で決まる!』連載第3回。

●たったひと言でも、お客様は買う気を失う

 よくお買い物をしている場面で、耳障りな言葉が聞こえ、違和感を覚えることがあります。

 ある営業マンが、
「喜んでいただけると思います」
「すごく良い商品だと思います」
と言いました。

 私は「自信なさそうだな。この人に頼んで大丈夫かなぁ」と感じました。

 皆さんがお店に買い物に行ったときのことを思い出してください。

 何か違和感がありませんか?

「と思います」というひと言。

「この色は今後、流行(はや)ると思います」
と言われるより、
「この色、今すごく人気がありますよ」
と言ってもらったほうが、気持ちが乗りますよね。

「思います」という言葉を入れると、お客様との間に第三者が入っているような感じになるのです。

 ですから私は、絶対に「~と思います」という言葉を使いません。

「思うこと」と現実は違うことがあるからです。

「私は、この商品がいいと思います」という言葉は、「じゃ、他の人はいいと思わないの?」とお客様に想像させてしまうのです。

 楽しくお買い物をしていただくには、お客様にマイナスの想像をさせてしまってはいけません。

 さらに、「たぶん」をつける人がいますが、お客様との距離は離れるばかりです。

「この商品を使うとお肌がとてもしっとりしますよ」と、断言します。

「断言する」ことでお客様に安心感を持っていただけますし、お買い物の臨場感を感じてもらうことができるのです。

 私が絶対言わない言葉の2つ目は、「安い」です。

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