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BLバーの入店料、1000円。

文・内藤みか

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 日本初のBLバーが秋葉原にオープンしたというので、いてもたってもいられず飛んでいった。入店料は1000円だった。

 BLバーとはつまりボーイズラブ、男性が男性を愛する世界のことだ。私もたまにはそういうコミックを読むことがある。綺麗な男の子同士がときめき合っている姿は、現代版おとぎ話のようで、ひととき現実を忘れ、安らげるのだ。

 でも、店員が全員若い男だなんて店はどこにでもある。いったいどういう風にして男子×男子の恋愛を表現するのだろう?

 で、店に入ってメニューを見てなるほど、と思った。「生BL(生ビール)」など随所にネーミングの工夫が凝らされていたのだ。そういえば以前2丁目でゲイの人がお店を開く時に「オカマンベールチーズ」というメニューを作っていたけれど、それと同じノリだ。

 さらに店にはパフォーマンスがあった。1500円出してBLカクテルを頼むと、男性スタッフ2人が手を握り合ってシェイカーを振ってくれるのだ。もちろん私はお願いした。

 普通「どんな味にしましょう」と聞かれるところを「どんなポーズで振りましょう?」と聞かれてドキドキした。仲良さそうな感じで、と言うと、シェイカーを振っている男の子の後ろから二人羽織のようにもうひとりの男の子がその両手を包み込むというきわどいスタイルでドリンクを作ってくれた。出されたものは、まったりと甘く、この店の濃さが良く出ていた。さらに彼らのポラロイド写真を撮るのに1000円かかる。そしてついついお財布を開く私がそこにいた。

 店の客層は意外にも半数が男性だった。秋葉原でお買い物をした帰りのスーツの男性がうれしそうに若い男の子達とお話をしているその様子は、平和そのもので、私はカウンターから目を細めてしまった。

 若い男の子同士が仲良くしている姿は、はたから見ていてもなんとも可愛らしい。今までマンガの中でしか見られなかった光景が目の前で繰り広げられているのはかなり刺激的だった。

 もちろん彼らは実際には恋人同士ではない。でもスタッフのひとりが「こういう毎日を続けていたら、男の人を好きになってしまうかも......」とつぶやいていてハラハラした。あまりにも気になるお店なのできっとまた行ってしまうと思う。


BLバー「Miracle Jump」


  


(更新 2010/6/ 3 )


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プロフィール

内藤みか(ないとう・みか)

 小説家、エッセイスト。山梨県出身。デビュー当時「ケータイ小説の女王」の異名をとリ、現在も電子書籍サイトのダウンロードランキング常連。「年下男恋愛」「イケメン」についてのコンテンツを作り続け、「イケメン評論家」としても活動。近年はイケメン恋愛ゲームのシナリオや、芝居の脚本も手がけるように。『夢をかなえるツイッター』などSNSに関する著作も。近著に『誰も教えてくれない Facebook & Twitter 100のルール』。twitterアカウントは @micanaitoh

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