第1399回 これが猫か 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1399回 これが猫か

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シロ(岡本さん提供)

シロ(岡本さん提供)

「猫、飼うぞ」

 3カ月ほど前、知人宅で子猫が生まれたと聞き、突然主人が言いました。息子、娘も独立し、姑も23年介護して見送った。誰かの「世話」から解放されたと思っていた矢先のこの一言。

「猫飼うって、排泄、食事、体調管理、体のケア……。いろいろ世話があるのよ、私は御免や!」

「ええやないか、オレがする!」

 猫の世話どころか自分の世話を考えないけん、高齢者になってきているのに、何を考えているんだ、この70のおやじは!まったく始末におえん。

 やっぱ世話はできんから、とあきらめると思ったら、数日後、家に帰ってみると子猫がいた。

 さっそく餌から猫用のおもちゃ、排泄用のペットシートも買い込んで、「獣医にも診てもろた。ペット美容室にも連れていってケアした」。

 普段は、何を頼んでも「後でする」「そのうち」と動きもしないハゲおやじが、どうしたことか、やけに身軽だ。

 オス猫で男同士気が合うのか、じゃれあって遊んでいる。私は横目で見ているだけ。

 餌もくれるし、甲斐甲斐しく世話もしてくれるので、奴は主人にひどくなついている。足元にすり寄り、肩に乗ったりしている。

 それでも1週間もたつと、さすがに私も可愛いなと思うようになった。ある日、仕事から帰ってみると奴が玄関先に座っていた。ほう、私を迎えてくれたのか。

 頭でもなでてやるか、と手を伸ばした。すると、奴は大きなあくびを一つして、お尻を向け、さっさと去っていった。

 なるほど、これが猫か。

 奴(写真、名前はシロ)と仲良くなるには時間がかかりそうだ。

(岡本千春さん/愛媛県/64歳/介護福祉士)

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(更新 2020/11/19 )


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