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子どものころから犬が飼いたくてたまらなかった夫。だけど、ずっと借家暮らしだったので、親には言いだせなかったそう。
私と結婚してからも生活に追われ、なかなか飼えませんでした。そして子どもたちが独立したころに、やっと念願の柴犬を飼うことができました。
名前は小大郎(こたろう)。夫婦共に初めて犬を飼うので、その小大郎(雄、10歳、写真)を“犬”可愛がりに甘やかして躾らしい躾もせず、屋外で飼うつもりだったのに屋内で寝起きを共にしています。
小大郎は生来、性格が穏やかで人好きで、自分のことを犬だとは思っていない様子。めったに吠えず全く番犬にはなりませんが、私たちは息子がもう一人増えたように思っていました。
昨年、夫が急逝しました。突然のことで寂しさと心細さで気が狂いそうな私の傍らに、いつも寄り添って心を癒やしてくれたのが小大郎でした。
夫が亡くなった当初はあまり人に会いたくなくて、どうかすると引きこもりがちになっていました。しかし、小大郎は排泄を外でしかしないので、雨が降ろうが嵐が来ようが、どうしても朝晩の散歩に出なければなりません。そのおかげで、たくさんの犬友達と言葉を交わすことになり、寂しさを紛らわせることができました。
小大郎は私の言葉をだいたい理解しているようで、いつもスーパーに買い物に行くときは連れていって車内で待たせるのですが、暑い夏だけは「おうちで留守番だよ」と言えば、お利口に待っていてくれます。
また、テレビドラマなどを見て涙ぐんでいると、心配そうに、まるで「大丈夫?」という感じで見つめてくれます。
今は、小大郎の最期を看取るために、元気に暮らしていこうと思うばかりです。
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