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うちには9歳のキャバリアのフェルゼン(写真奥)と、同じく9歳のチワワのヒカル(同手前)がいる。どちらもオスで、すこぶる仲がいい。
特にヒカルはフェルゼンが大好きで、散歩中などに他のワンコがフェルゼンに近寄るとヤキモチをやき、せっせと世話をやく。まるで夫婦のようだ。
私の父が亡くなったのは今から10年以上前。私はまだ子供の産める年だったので、生まれ変わるのなら、私のところに来てほしいと願った。
そこまで思い詰めるほど父離れができていなかった訳ではない。そういう気持ちになったのは、当時何かと心配事を抱えていたせいかとも思う。しかし願いはかなわず、父親が亡くなるとすぐに、私は早々と閉経してしまった。
その後、市内のペット飼育可のマンションに移り住んだのと同時に、生まれて初めてペットとして家に迎えたのがフェルゼン。
最初は違う名前にしたが、思い直して血統書に書いてあるのをそのままもらった。
彼の母親はマリー。かの人気漫画“ベルばら”がらみ(?)で、彼の名前はマリー・アントワネットの愛人の名前からきている。
やがて、一匹だけだといやにおとなしいのが心配で、もう一匹ワンコを迎えた。愛敬もたっぷりで可愛いチワワ。光源氏のヒカルだ。
それから早くも9年が過ぎた。子供を抱けなかった自分に、抱っこする気分を味わわせてくれた愛するワンコたち。
ある日、ふとフェルゼンの顔を見て思った。
亡くなった父に顔が似ている──。
父は戌年生まれ。人間の子供じゃなく、犬に生まれ変わり、うちに来てくれたのか? そして、私を見守ってくれてるの?
勝手にそう思っている。
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