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わが家には「みるく」(写真、2歳)という雌のゴールデンレトリバーがいる。
目がちょっと三角だが血統書付きだ。しかし落ち着きがない、うれしいと飛びつく、何でも口に入れて噛み砕く、庭に大きな穴を掘る、と、「あんたね~」とため息が出るようなことばかりする駄目犬である。とはいえ、アホな犬ほど可愛い。
わが家は、戸数が20戸もない、後ろが山で前が海という小さな集落にある。散歩のときは誰もいない山のほうに行く。
みるくは散歩の度、うれしくてうれしくて、子犬のころにもらった自動車用の座布団をぶんぶん振り回しながらついてくる。途中で私が座布団がないのに気付き、「おざぶは!」と言うと、一生懸命捜しに行く愛すべき犬である。
猫の「くるみ」とも仲良しで、一緒に散歩に行く。くるみが山ではぐれて、「ニャオ~ン」と甘えた声で呼ぶと、急いで走って後戻りし、捜しに行ってくれる優しい犬でもある。
くるみのほうが気が強いので、引っかかれることもあるが、じっと我慢している姿がいじらしい。
以前、同じくゴールデンを飼っていた。とても賢い犬で、飼うならまたゴールデンと決めていた。しかし最近の小型犬人気のせいか、なかなか見つからない。
そんなとき、「残り一匹の子犬1万円で売ります」の新聞広告に飛びついた。次の日に見に行くと、目が真っ黒で、それはそれは可愛らしい子犬だった。
帰りの車中で私の膝におもらししても、「残り物には福があるんだから」と主人に言った私。今では毎日、主人から「お前が手塩にかけたみるくが、また庭でゴソゴソ何かしてるぞ」と嫌みを言われている。
それでもめげずに、「みるくはいい子なんだからネー」と頭をなでている犬ばかの私である。
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