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第53回 別れる理由はそれぞれでいい

文・大谷由里子

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マンガ/上大岡トメ

マンガ/上大岡トメ

連載が本になりました!『ごきげんで生きる48の方法』

大谷由里子著/イラスト・上大岡トメ

978-4022513335

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 ところが、この場合、意外とややこしいのが、愛はなくても嫉妬はある。

「そんなに実家がいいの?」と妻に嫌味を言われる。

「だって、俺の居場所、家にないじゃないか」

 と言い合いになる。

 このパターンもけっこうあった。

 そして、最近、わたしの周囲の50代に増えているのが、介護がきっかけでの別居。

 57歳の男性。父親と母親が病気になって放っておけなくなった。

 妻に同居を打診したけれど、もちろん却下された。

 しかたないので、彼が実家に戻って親と同居することにした。

 同居してみると、それなりに居心地もいい。

 親も喜んでくれる。

 そんなある日、妻に言われた。

「わたしたち、夫婦でいる必要ないんじゃない」

 晴天の霹靂だけれど、なんとなく修復する気にもなれない。

「定年になったら、一緒に商売をしてくれる女性を探そうかなぁ」

 なんて話を彼もしていた。

 同じく介護のために夫を東京に残して、実家の関西に帰った女性。

 家に寄り付かない兄たちに比べて、帰ってきてくれた娘が父親と母親はうれしくてしかたない。

「財産は、すべてあなたにあげるから、もう東京に戻らなくていいじゃない」

 と両親は言う。

 自分の子どもたちは、成人して自由にやっている。

 実家の部屋も昔のままだし、昔からの友だちも周囲にたくさんいるし、「いいかなあ」と思えてきたらしい。

「別れの理由」は、夫婦それぞれにある。

 そして、当の本人たちも、その話題で盛り上がっていたりする。

 あまり悲壮感がない。

 これも時代かも。

「別れたから不幸」ではないのだ。


(更新 2016/2/24 )


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プロフィール

大谷由里子(おおたに・ゆりこ)

 1963年奈良県生まれ。京都ノートルダム女子大学を卒業後、吉本興業に入社。故・横山やすし氏のマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし注目を集める。2003年、研修会社の志縁塾を設立。「笑い」を取り入れた「人材育成研修」は、NHKスペシャルなど多くのメディアで話題となっている。 現在は、年間300を超える講演・研修をプロデュース中。主な著書に『仕事で大事なルールは吉本興業で学んだ』(こう書房)、『はじめて講師を頼まれたら読む本』(中経出版)など多数。

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