マンガ/上大岡トメ
マンガ/上大岡トメ

 考えたら、わたしの人生、いつも何かに追われている気がする。

 子どもの頃は、宿題、テスト、習い事、後片付けにお手伝いに追われていた。

「早くしなさい」

「まだ、できてないの?」

 と、いつも母や父に責められてきた。

 しかも、わたしは、勉強嫌いだったし、人の話を聴いていないし、何をやるのも遅かった。

 だから、責められて追われるたびに、とても辛かったし、

「わたしなんて、本当にダメな人間なんだ」

 と、子ども心にネガティブになっていた。

 そして、中学、高校も相変わらずテストに受験にクラブ活動に追われていた。

 中学生の時、テニス部だったわたしは、クラブだけでなく、コートの整備、朝練、練習試合に追われていた。

 高校生の時も英語クラブに、宿題に受験に、合唱コンクールといろいろ追われていた。

 大学生の時は、サークルに追われ、塾のバイトに追われ、恋愛に就職活動に追われていた。

 それだけでも、毎日、なんだかんだあるのに、旅行やコンパや飲み会を入れるから、とにかく、毎日何かに追われていた。

 働き出してからは、仕事に追われ、結婚したら、子育てに追われ、50歳過ぎて、ふと思い立って大学院に行ったために、修士論文やレポートにひたすら追われている。

 そして、ふと、思った。

「なんで、わたし、ずっと、こんなに追われる生活をしているのだろう?」

 他人から見たら、「しんどそう」「大変」と、思われているかもしれない。

 でも、わたしの人生って、大変でしんどかったのかなあ。

 そんなことを考えているうちに、疑問が浮かんだ。

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