今、10月7日の深夜ですが、大きな台風が近づいていますね。この10年で上陸した台風では最大級とか。日本を縦断しそうですし、被害が心配です。あまりひどいことにならなければいいのですが。

「蛮幽鬼」の感想があればとネットを見ていると、地方から遠征して観劇しようと予定していた人たちが「頼むから飛行機飛んでくれ」と祈っている書き込みがいくつか見られました。
 確かに、チケット代に飛行機代、会社勤めの人ならわざわざ休みをとっているのでしょうから、飛行機が飛ばないとたまったものではありません。なんとか無事に来られるよう祈るばかりです。

 台風と言えば、2004年秋の「髑髏城の七人」通称「アオドクロ」の公演の時、二回も関東に直撃されたのを思い出します。
 最初の時は、終演後カーテンコールで主役の市川染五郎さんが、「今から大事なお知らせがあります。交通情報です。えー、JR山手線は運休・・・」などと交通機関の案内をしたのが珍しく「いやあ、こんなカーテンコールはめったにない」と感心していたのですが、一週間とおかないうちに、また同じ事をやる羽目になるとは思いませんでした。
 二度目は日曜日だったかな。日生劇場の前、地下鉄の日比谷駅の出口あたり、水が氾濫して、「これはみんな無事に来られるのか、帰れるのか」と心配した記憶があります。終演後、自分達も帰宅するのに、動いている電車を探しながら遠回りしてなんとか帰ることができました。

 でも、こういう逆境のほうがかえって舞台は盛り上がったりすることが往々にあるのですよね。お客さんも「必死で観に来た」という思いがあるし、見せる側も「こんな悪天候の中ありがとう」という気になる。まあ、いつもいつもそんなじゃ困りますが。

 この二連続台風の時は、個人的にもひどい目にあいました。
 台風が通り過ぎた翌日は晴天。台風一過とはよく言ったものだという青空が広がっています。
「やれやれ、よかった」と地下の仕事場に降りました。
トントントントンとリズミカルに響く階段を下りる足音が、下につくとバシャバシャバシャ。一瞬何が起きたのかわかりませんでした。
 床上浸水してたんですね。部屋全体が水浸し。水位は1センチほどでしょうか。 幸い本棚は一番下の段が少し高めになっていたので水が達しておらず、被害はそれほどでもなかったのですが、段ボールに詰めて床に置いていた分が随分やられていました。
 あまりの雨に排水がおいつかなかったのが原因でした。
 そういえば寝る前、足下に水滴が落ちているのに気がついていたんです。てっきり自分が飲み物をこぼしたのかと思い、そのまま寝たのですが、後から思えば、あれは床下から沁みだしていた水だったんですね。
 結局、床板を全部張り替え本棚を二本捨てなければなりませんでした。
 今回は、どうでしょうか。まあ、排水口を大きくしたので大丈夫だとは思いますが。