【米ビルボード・アルバム・チャート】モーガン・ウォレン2作連続で10週連続首位、エド・シーラン初登場2位
【米ビルボード・アルバム・チャート】モーガン・ウォレン2作連続で10週連続首位、エド・シーラン初登場2位

 モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』が10週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 1位に初登場した2023年3月18日付から今週(5月20日付)まで、遂に10週連続でトップを維持した『ワン・シング・アット・ア・タイム』。Billboard 200で初登場から10週連続で首位を獲得したのは、2021年1月23日~3月27日付まで同10週を記録した自身の前作『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』以来で、2作連続で10週連続首位獲得という快挙を達成した。

 Billboard 200の集計が始まった1956年3月以降、首位獲得週が2作連続で10週(以上)を記録したのはモーガン・ウォレンが史上5組目で、男性ソロ・アーティストとしては初のアーティストとなる。

モーガン・ウォレン
10週『ワン・シング・アット・ア・タイム』(2023年)
10週『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(2021年)

アデル
24週『21』(2011~12年)
10週『25』(2015~16年)

ホイットニー・ヒューストン
14週『そよ風の贈りもの』(1986年)
11週『ホイットニーII』(1987年)

ザ・モンキーズ
13週『恋の終列車』(1966~67年)
18週『アイム・ア・ビリーバー』(1967年)

キングストン・トリオ
10週『ストリング・アロング』(1960年)
12週『ソールド・アウト』(1960年)

 2作連続ではなく、首位獲得週が10週を超えるアルバムを2作以上もつ男性ソロ・アーティストとしては、故エルヴィス・プレスリー、故ヘンリー・マンシーニに続く3組目の快挙を達成した。

エルヴィス・プレスリー
10週『エルヴィス・プレスリー登場!』(1956年)
10週『さまよう青春』(1957年)
10週『G.I.ブルース』(1960~61年)
20週『ブルー・ハワイ』(1961~62年)

ヘンリー・マンシーニ
10週『ピーター・ガン』サウンドトラック(1952年)
12週『ティファニーで朝食を』サウンドトラック(1962年)

 首位獲得週が10週を超えるカントリー・アルバム(定義はカントリー・アルバム・チャートにランクインした作品とする)を2作以上もつアーティストとしてはモーガン・ウォレンが史上初で、すべてのジャンルを含めると以下に続く9組目のアーティストに加わった。

4作
エルヴィス・プレスリー
ザ・ビートルズ

3作
キングストン・トリオ
ホイットニー・ヒューストン

2作
ヘンリー・マンシーニ
ザ・モンキーズ
アデル
テイラー・スウィフト
モーガン・ウォレン

 『ワン・シング・アット・ア・タイム』は、今週の集計期間(2023年5月5日~5月11日)にアルバム・ストリーミングが134,000(3%増加)、アルバム・セールスが5,000(6%減少)、トラックによるユニットは2,000(5%減少)をそれぞれ記録して、合計141,000ユニット(2%増加)を獲得した。週間ストリーミングは全36曲で1億7,933万回を記録している。

 続いて今週2位にはエド・シーランの新作『-(サブトラクト)』が初登場して、以下に続く6枚目のTOP10入りを果たした。

5位『+ / プラス』(2012年)
1位『x(マルティプライ)』(2014年)
1位『÷(ディバイド)』(2017年)
1位『No.6 コラボレーションズ・プロジェクト』(2019年)
1位『=(イコールズ)』(2021年)
2位『-(サブトラクト)』(2023年)

 『-(サブトラクト)』の初動ユニットは112,000で、その内訳はアルバム・セールスが81,000、アルバム・ストリーミングが29,000(3,843万回)トラックによるユニットは2,000をそれぞれ記録した。

 週間セールスとしては今週のトップ・アルバムで、2023年にリリースされた作品としては10番目、K-POPを除く作品としては5番目に高い売上を記録した。また、自身の記録では過去2作『No.6 コラボレーションズ・プロジェクト』と『=(イコールズ)』の初週の売上を超えている。

 『-(サブトラクト)』は、14曲収録の通常版と18曲収録のデラックス盤の2種があり、どちらもデジタル・ダウンロード、CD、アナログ盤で購入可能となっている。アナログ盤は、AmazonやTarget限定など計9種類があり、CDもサイン付きや異なるパッケージなど複数のバージョンが用意されている。

 本作からは、リード・シングルの「アイズ・クローズド」が2023年4月8日付のソング・チャート“Hot 100”で最高26位を記録し、アルバムのプロモーションに繋げた。なお、これまでの作品では前作『=(イコールズ)』から「バッド・ハビッツ」が2位、『No.6 コラボレーションズ・プロジェクト』からは「アイ・ドント・ケア (with ジャスティン・ビーバー)」が2位、『÷(ディバイド)』からは「シェイプ・オブ・ユー」(1位)と「キャッスル・オン・ザ・ヒル」(6位)が、ソング・チャート“Hot 100”でTOP10入りしている。

 チャートにもどり、3位はテイラー・スウィフトの『ミッドナイツ』(60,000ユニット / 4%増加)、4位はシザの『SOS』(54,000ユニット / 4%減少)、5位はモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(49,000ユニット / 4%増加)がそれぞれ先週と同位をキープして、6位には韓国のガールズ・グループ=LE SSERAFIMの『UNFORGIVEN』が初登場した。

 『UNFORGIVEN』はLE SSERAFIM初のスタジオ・アルバムで、Billboard 200のランクインは最高14位を記録したEP『ANTIFRAGILE』(2022年)に続く2作目、TOP10入りはグループ初の快挙となる。

 本作は、5月1日にデジタル・ダウンロードとストリーミングが解禁されて、先週のチャート区分では6,000ユニットを獲得したがランクインはせず、今週の集計期間初日の5月5日にCDがリリースされたことでセールスが上昇し、6位に初登場した。

 多くのK-POPアルバムと同様に、『UNFORGIVEN』も特典の異なる数種類のパッケージで販売されたCDの売上がセールスのほとんどを占めていて、デジタル・ダウンロードの売上はごく僅かだった。なお、現時点ではアナログ盤(LP)とカセットテープはリリースされていない。

 『UNFORGIVEN』は、今週の集計期間にアルバム・セールスが38,500、アルバム・ストリーミングが6,500をそれぞれ記録して、合計45,000ユニットを獲得した。週間ストリーミングは全13曲で904万回を記録している。現時点でLE SSERAFIMの楽曲がソング・チャート“Hot 100”にランクインしたことはないが、ナイル・ロジャースをフィーチャーした本作のタイトル曲「UNFORGIVEN」が、先週(2023年5月13日付)のグローバル・チャート“Global 200 Excl. U.S.”で39位に初登場している。

 以下、テイラー・スウィフトの『ラヴァー』(37,000ユニット / 8%増加)が先週の10位から7位、バッド・バニーの『Un Verano Sin Ti』(36,000ユニット / 8%増加)が11位から8位に上昇して、ルーク・コムズの『ゲッティン・オールド』(36,000ユニット / 3%減少)が7位から9位、メトロ・ブーミンの『Heroes & Villains』(34,000ユニット / 1%減少)も9位から10位にそれぞれランクダウンした。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月19日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
2位『-(サブトラクト)』エド・シーラン
3位『ミッドナイツ』テイラー・スウィフト
4位『SOS』シザ
5位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
6位『UNFORGIVEN』LE SSERAFIM
7位『ラヴァー』テイラー・スウィフト
8位『Un Verano Sin Ti』バッド・バニー
9位『ゲッティン・オールド』ルーク・コムズ
10位『Heroes & Villains』メトロ・ブーミン