<ライブレポート>すとぷり、“楽しい”で埋め尽くした東京ドーム公演
<ライブレポート>すとぷり、“楽しい”で埋め尽くした東京ドーム公演

 2022年1月の福岡PayPayドーム公演を出発点として6人で各地を巡ってきたすとぷり史上最大規模のドームツアー【すとろべりーめもりー Vol.Next!!!!】。初めて、莉犬、るぅと、ころん、さとみ、ジェルの5人が主体となり、リスナーと直接顔を合わせる中でライブを成功に導いたのが、5月の東京ドーム公演の2Daysだ。すとぷりにとって、夢のような舞台にしてこれまでにないほど大きな挑戦をしたに等しい東京ドーム公演の初日の模様をお届けする。

 オープニングVTRを通過し、カウントダウンが1へと迫った瞬間、各担当カラーが覗く制服に身を包んだすとぷりが静かにメインステージのリフターで浮上。リスナーの抑えきれない興奮を表すかのようにメンバーの傍で花火が吹き出した。そんな神秘的な登場シーンを経て、キラキラ輝く「パレードはここさ」のパフォーマンスを開始。色とりどりのライティングが会場をポップ色に染める中、後半には「みんなー、ありがとう!」と客席に向かって手を振りながら飛び出す笑顔と声を歌に乗せた。

 1曲目を終えると、「本当にすごい景色!」とステージから見える景色への感想が5人から放たれる。「聴いてください!」と莉犬。メインステージにダンサーが加わった「スキスキ星人」から、二手に分かれたメンバーが、トロッコに乗り込み、そのまま外周を走る展開に。4つ打ちと踊るメロディーと歌声が心地よく会場に響いた。続く「ストロベリー☆プラネット!」では、歌の途中でトロッコが停止すると、客席との心の距離がぐんと縮まり、会場の熱が瞬く間に上昇気流に乗る。再びトロッコが動き出し、ダンサーもメインステージから花道を抜けてセンターステージへ。トロッコから降りて、メインステージに戻ったすとぷりとダンサーが軽快なステップを踏んだ「ギンギラ銀河」まで、ナユタン星人によるポップな曲の世界観に合わせた解放的なステージが広がった。

 「ここからはしっとりなコーナーに入りたいなと思います」とのるぅとの合図から、歌いだしのアカペラが印象的な「マブシガリヤ」へ。花道を抜けて、せり上がり回転し始めた円形ステージの上に立ち、歌うすとぷり。途中からは、スモーク入りのシャボン玉が放出され、春らしい空間が5人を優しく包み込んでいく。「マブシガリヤ」の続編となるナンバー「ナミダメ」が続き、円形ステージがさらにせり上がると、その上でふたりずつ身を寄せ合う。

 この日は、各自が自身の魅力を最大限に引き出す衣装をまといながら、それぞれのオリジナル曲から2曲ずつを歌うソロパートも用意されていた。まずは、マイクスタンドに手を添えながら、特効のスモークが上がる中でバンドメンバーの奏でるジャジーなサウンドと溶け合う「黒のユートピア」、ダンサーと交わりダンス・パフォーマンスしたEDM「あなたに告げる始まりの音」を、色気を漂わせ、歌い上げたジェル。パフォーマンスが終わると同時に黄色いスポットライトがステージ上のるぅとを追う。ダンサーが一斉に捌け、メインステージからセンターステージへと移動し、ひとりで歌うるぅとが見せたのは、「僕は雨に濡れた」「忘れ愛」といった寂しげな楽曲に込められた孤独感をより強くするような演技力の光ったパフォーマンス。ダンサーとのダンス・パフォーマンスのユニゾンを繰り広げた「ワンダラー」で、洒脱な音の海を泳いださとみ。特効の火柱が立ち上がった「感情色」へとつないだ。突然、バックステージに登場したころんは、トロッコに乗り込み、「敗北の未来地図」、ノスタルジックな雰囲気が漂う「だいよげん」を未来に希望を託すような力強い歌声で歌い上げた。そして最後は、会場に集まったリスナーのこみ上げる嬉しさを集約したような元気と希望の詰まった声で「よくできました◎」、円形ステージの隅に座りながら「君の方が好きだけど」を全力で届ける莉犬。

 エッジの効いた「GO GO CRAZY」では再び二手に分かれてトロッコに乗り、バックステージへと突き進む。フロート内で合流したすとぷりは、クールな黒い衣装姿。そのまま会場の後ろに向かって、「僕らだけのシャングリラ」を振り付けを交えて披露した。「Very」「シンドロームラブ」「パンピじゃないのよッ!!」のパーティーチューン・メドレーが続く。

 バンドメンバー&ダンサーを紹介したあとは、特効のスモークが立ち上がる中、純白のプリンス衣装で登場したすとぷり。究極の愛を「プロポーズ」「Prince」で誓った。本編ラストにダンサーと一緒に残されたエネルギーを出し切るように歌ったのが、すでにYouTubeでの動画再生回数が2,000万回を超えている「大好きになればいいんじゃない?」と「おかえりらぶっ!」。花道を抜けてセンターステージへと駆けていく。

 リスナーによるアンコールに応えて、再び、メインステージに立った5人。順番にこの日のライブの感想を述べていった。

 「実は、2年前に東京ドームをやります!ってお知らせしたんですけど、世の中の状況的に東京ドームでライブをすることができなくなってしまって。そのほかにも直接目を見て言葉を届ける場所も奪われて、本当に不安な日々が長かったです」と伝えたるぅとは、東京ドームについて、挑戦を奪われてしまった東京ドームと吐露した一方「今日は僕の好きな音楽を挑戦できなかった東京ドーム公演で、ライブができて本当に嬉しいです!」と一歩前進した姿を見せた。

 ころんは「東京ドームでみんなに“楽しい”を届けられて本当によかったなと心から思います。ちょっとした楽しさで始めたすとぷりから、まさか、こんなに素晴らしい舞台に立てる日が来るとは思ってなかった。SNSって無駄じゃなかったんだなとか、僕たちが信じてついてきた道は間違っていなかったんだなって思えました」と自身の背中を押した。

 以前、ころんが、東京ドームでライブをしようと言ってくれたことに対して「無理だよ」と返していたことを打ち明けたさとみ。「叶ったなって思って」と声を漏らし、ころんに「叶ったな」と声をかけると、感泣しながら「叶った」と返事するころん。ふたりがハグするシーンに感動の波が伝播した。そして、「僕たちもここでみんなの前に立てていることが信じられなくて。今日は、本当にこの景色は一生忘れたくないなって思いながらみんなの前に立っていました。これしかない。本当にありがとう!」と感謝の言葉を口にした。

 ジェルは、「辛い俺たちを見せても、苦しんでいる俺たちを見せても、逆にみんなが辛くなるだけだ。そう思ってこの数か月、頑張ってきました」と述べ、「5人になってからは、代わり番こでMCしたり、リハーサルしたり、動画投稿も頑張ったり、何もかもが新しいことだらけで、本当に大変でした。その中で、俺たちは、なーくん(ななもり。)に甘えていたんだなって思いました。だから俺たちはいつもの楽しいすとぷりを安心して届けられるようにがむしゃらに走ってきました」と隠し切れない想いを語った。

 莉犬は、「この東京ドームを行うにあたって、不安なこと、心配なことがたくさんありました。君もきっと俺たちのことを心配してくれたと思うし、不安になったと思う。でも俺たちは君を不安なままにはさせておきたくなくて。毎日を“楽しい”で埋め尽くしたいから、辛くても走り続けました。みんなと楽しかった日々も辛かった日々も、一緒に歩んできたからこそ、すとぷりを守りたくて、俺たちは今、東京ドームに立っています」「このライブが始まる前、5人でステージに立つのは正直怖かったけど、みんなの応援があったから頑張れた。東京ドームは決して終わりではありません。すとぷりは終わりません。これから、どんなに辛いことがあっても、挫けず走り続けていきます!」とリスナーに力強く宣言した。

 歌以外にも、企画映像の『ホットケーキ対決』や『障害物対決』を通じてリスナーにたくさんの“楽しい”を届けたすとぷり。莉犬の言葉で締めると、「これからも頑張ろう」と励まし合う5人がいた。最後は、ころんの「今日は本当にありがとう!」に続いたメンバーの「ありがとう」から「パレードへおかえり」「Strawberry Prince Forever」を熱唱。何度も何度も「大好き」、「ありがとう」を繰り返し、感動的なフィナーレを迎えた。

 なお、すとぷりは8月下旬にベルーナドーム(西武ドーム)で、ツアーのラストとなる【すとろべりーめもりー Vol.Next!!!!】を2日にわたって開催することを発表しており、リスナーと最高の時間を再度過ごすことを約束している。ライブの詳細は、後日発表される。

Text by 小町碧音
Photos by 林晋介、東美樹

◎セットリスト
※5月4日(水)東京ドーム公演 
1. パレードはここさ
2. スキスキ星人
3. ストロベリー☆プラネット!
4. ギンギラ銀河
5. マブシガリヤ
6. ナミダメ
7. 黒のユートピア
8. あなたに告げる始まりの音
9. 僕は雨に濡れた
10. 忘れ愛
11. ワンダラー
12. 感情色
13. 敗北の未来地図
14. だいよげん
15. よくできました◎
16. 君の方が好きだけど
17. GO GO CRAZY
18. 僕らだけのシャングリラ
19. Very~シンドロームラブ~パンピじゃないのよッ!!
20. プロポーズ
21. Prince
22. 大好きになればいいんじゃない?
23. おかえりらぶっ!

E1. パレードへおかえり
E2. Strawberry Prince Forever