エルトン・ジョン、ダベイビーのHIV/エイズに関する不適切発言を受けて声明発表
エルトン・ジョン、ダベイビーのHIV/エイズに関する不適切発言を受けて声明発表

 先週末、ダベイビーが米マイアミで開催された音楽フェスティバル【Rolling Loud】に出演した際に、HIVやエイズに関する同性愛嫌悪な発言を行ったことを受けて、現地時間2021年7月28日にエルトン・ジョンが自身のインスタグラムで声明を発表した。

 エルトン・ジョン・エイズ基金を設立し、長年HIV予防や治療を支援する活動をしているエルトンは、この声明でダベイビーの発言を非難するとともに、HIVやエイズにまつわるいくつかの重要な事実をフォロワーと共有した。「先日開催されたダベイビーの公演でのHIVに関する誤った情報や同性愛嫌悪な発言を読んで、私たちはショックを受けました」と彼は綴り、「これはスティグマ(烙印)と差別を助長するもので、私たちの世界がエイズ感染病と闘うために必要なことと逆行しています」と続けた。

 ダベイビーは、パフォーマンス中に「今日、HIVやエイズなど2、3週間で死ぬような性病に感染せずに来場してたら、スマホのライトを挙げてくれ!女性は、アソコが水のような匂いだったら、スマホのライトを挙げてくれ!男性は、駐車場でフェラしてるような奴じゃなきゃ、スマホのライトを挙げてくれ!」とファンに向かって叫びながら煽った。

 エルトンは投稿の中で、世界で7000万人以上がHIVを患っていると説明。また、ゲイのブラック・アメリカンが生涯感染する確率は50%で、その大きな要因は「HIVや同性愛にまつわるスティグマや羞恥心」であると明かした。ダベイビーの発言を批判する中で、彼は「HIVに感染しても、今は長く健康な人生を送ることが可能になりました」と述べ、「治療は劇的に進化しています。毎日一錠のピルを飲むだけで、HIVを体内から検出できなくすることができるので、他人に感染させる恐れがありません」とウイルス量を検出限界未満に引き下げるほど、HIV治療が進化したことを理解することの重要性について語った。

 投稿には「音楽業界に、HIVの誤った情報や同性愛嫌悪の場所はありません。私たちはHIVに関するスティグマ(烙印)を打ち破る必要があり、拡散してはなりません」というダベイビーや彼を擁護したアーティストに向けたメッセージも含まれており、「ミュージシャンとして、私たちの仕事は人々を一つにすることです」という言葉で締めくくられている。

 今週火曜日、ダベイビーはHIVとエイズに関する自身の発言を謝罪したが、その他のコメントについては立場を変えてない。彼は「エイズ/HIVを患ったことが人々は、俺のコメントに腹を立てる権利があるし、誰も怒らせることを意図していなかったとしても、俺の発言は無神経だった。なので謝る」と綴り、「でもLGBTコミュニティに関しては……俺はクレイジーなことは言ってないと思う。したいようにすればいい。君たちのことは、君たちのことだから」と続けていた。