スクエアプッシャー、デビューAL『Feed Me Weird Things』リマスター再発決定&サブスク/デジタルも同時解禁へ
スクエアプッシャー、デビューAL『Feed Me Weird Things』リマスター再発決定&サブスク/デジタルも同時解禁へ

 スクエアプッシャーによるデビュー・アルバム『Feed Me Weird Things』が、リリースからちょうど25年目にあたる2021年6月4日に再発されることが決定した。サブスクとデジタルでも同時解禁され、発表に合わせて「Theme From Ernest Borgnine」が公開された。

 1996年にエイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムスによるレーベル<Rephlex>よりリリースされ、10年以上もの期間、CDやLPはもちろん、ストリーミングやダウンロード配信も行われていなかった本作。

 スクエアプッシャー本人が監修した今回のリイシュー盤の音源は、オリジナルのDATからリマスターされており、同時期にリリースされたEP作品『Squarepusher Plays…』のBサイドに収録された2曲「Theme From Goodbye Renaldo」と「Deep Fried Pizza」も収録。16ページの拡大版ブックレットでは、制作当時を振り返るセルフライナーノーツや、使用機材の情報を含む本人による各曲解説、当時の貴重な写真やメモが掲載され、キャリア初期の背景を解き明かす内容となっている。紙ジャケ仕様の国内盤CDは、高音質UHQCD(全てのCDプレーヤーで再生可能)となり、ブックレット訳とリチャード・D・ジェイムスによる寄稿文の対訳、そして解説書を封入。また数量限定のTシャツセットも発売され、輸入盤LPには、ブラック・ヴァイナル仕様の通常盤に加えて、クリア・ヴァイナル仕様の限定盤も発売される。

 2020年リリースの最新アルバム『Be Up A Hello』では、90年代の機材を多用したという点も注目を集めたが、若干19歳の時に作った楽曲も収録されている『Feed Me Weird Things』を聴けば、当時の初期衝動が今もなお彼を突き動かし、常に型破りな作品を生み出し続けていることが理解できるだろう。

 様々なサブジャンルが誕生した当時のエレクトロニック・ミュージックにおいて、今作がこれだけ特別な輝きを放ち、他のアーティストによる同時代の良作と一線を画していた理由の一つには、ジャズの影響を強く受けたトム・ジェンキンソンが、ジャズとエレクトロニクスの革新的な融合を成し遂げ、その卓越したベースプレイを披露した最初の作品であることも挙げられる。複雑に構成され、時には超高速に展開するビートが刺激を与えてくれる一方で、すでに完成されていたベースプレイは、心地よく魅力的に響き渡り、先進的な音楽ファンのすべてを虜にした。

 スクエアプッシャーは、フルートという楽器を使わずに、フルートに開いた穴だけでどんな音が鳴らせるかと考える人物だ。過去に一度も鳴ったことのない音を出すため、リチャード・ロジャーズとジュリー・アンドリュースは『サウンド・オブ・ミュージック』すなわち音楽の響きをもたらし、ジョン・ケージやサイモン&ガーファンクルは(「4分33秒」や「サウンド・オブ・サイレンス」で)静寂の響きをもたらし、そして今、スクエアプッシャーは “サウンド・オブ・サウンド” つまり “音による響き” を我々にもたらす。―リチャード・D・ジェイムス(アートワークに掲載された原文まま)

 リチャード・D・ジェイムスとグラント・ウィルソン・クラリッジが主宰した<Rephlex>にとっても最重要作品の一つである今作『Feed Me Weird Things』のトラックリストは、トムから渡されたテープをもとにリチャードが監修して組まれたという。アートワークには、リチャードが他のアーティストのために書いた唯一の寄稿文も記載されている。また、 国内盤CDの解説書には対訳が封入される。

 初期のEP作品や、96年にリリースされた『Feed Me Weird Things』をきっかけに<Warp>と契約したスクエアプッシャーは、同年末に『Port Rhombus EP』、翌97年には『Vic Acid EP』と『Hard Normal Daddy』を〈Warp〉からリリースし、以降レーベルを代表するアーティストとして今もなお第一線で活躍している。

◎リリース情報
アルバム『Feed Me Weird Things』
2021/6/4 RELEASE