トニー・ベネット、アルツハイマー病であることを家族が明かす 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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トニー・ベネット、アルツハイマー病であることを家族が明かす

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トニー・ベネット、アルツハイマー病であることを家族が明かす

トニー・ベネット、アルツハイマー病であることを家族が明かす


 トニー・ベネットが、進行性の神経疾患であるアルツハイマー病を4年以上患っていることを、彼の妻と息子が米AARP・ザ・マガジンで明かした。同誌のインタビューで、2016年にトニーがアルツハイマー病と診断され、不可逆的な脳疾患が進行するにつれて、彼に起こっている変化について家族が語った。

 昨年11月にトニーが住む米ニューヨークのアパートに訪れた同誌のライターは、陽気な人柄のトニーから永遠に若々しかった笑顔が薄れていたと表現した。妻のスーザンがトニーの肩に手を置いた時には、「仮面のように無表情だったのが、わずかに認識を示す」表情に変わったと説明した。

 94歳のトニーは、認知症の最も一般的な症状と闘っているが、見当識障害、恐怖症状、暴言や暴力、鬱病といったアルツハイマー病のより困難な症状に苦しんでいるとの報告はない。しかし、インタビューの過程でいくつかの認知機能の低下を示した。「次第に珍しくなっている明瞭で認識がある瞬間でさえ、彼の衰弱の深刻さを明らかにする」とライターは詳しく述べた。

 取材の過程で、トニーは自身の幼少期からキャリアのあらゆる段階の写真を掲載した2018年発行の写真集『Tony Bennett Onstage and in the Studio』に夢中になっていたとライターは説明しており、それらを彼が必死で思い出そうとしているように見えたとも述べている。スーザンによると、トニーは今でも家族を認識することはできるが、自分がどこにいるのか、何が起きているのかわからない時もあり、フォークや家の鍵などの日常的な物が彼を混乱させることもあるという。

 ショー・ビジネスにおいて、常に最も働き者の一人であるトニーは、今でも週に2回、長年の伴奏者であるリー・ミュジカーと90分のセットのリハーサルをこなしている。トニーの澄んだ声は今でもエネルギーに溢れている。スーザンは「彼は昔のトニーではありません。でも、歌うと、彼は昔のトニーのままです」と説明した。

 年齢を感じさせない不思議な存在であるトニーは、2014年にリリースしたレディー・ガガとのデュエット・アルバム『チーク・トゥ・チーク』で1位に輝いたことで、若い世代から再び注目を浴びることになった。米AARP・ザ・マガジンによると、トニーとガガは2018年と2020年にこの続編となる作品の楽曲を録音し、タイトル未定の今作はこの春にリリースを予定している。記事によると、トニーはセカンド・アルバムのためのセッション中、より静かな存在であったそうだ。

 これらのセッションの未編集ドキュメンタリー映像によると、トニーはめったに話さないか、たどたどしく話し、時に「戸惑い、混乱している」ように見えた。「トニーの状態を明白に認識している」と言われているガガは、専門家が推奨するように、文章を短くシンプルにしている。「(トニーが戸惑ったり、混乱しているように見える瞬間)ガガの顔に浮かぶ痛みと悲しみは明らかで、特に(ガガが「素晴らしい師と仰ぎ、友達、父親のような存在」と呼ぶ)トニーがラブ・ソングのソロの一節を歌う、非常に感動的な部分で、ガガの痛みと悲しみはより明らかである。マイクの後ろから見つめるガガの笑みは震えに変わり、顔に手を置いてすすり泣く前の彼女の目には涙が溢れていた」と記事は明かしている。

 トニーの苦闘にもかかわらず、このアルバムは「豪華で素晴らしいデュエット」に満ちていて、二人の「歌声は最高」であると評されている。彼が通常のアルバム・プロモーション活動を行うことが不可能であり、また自身の病気を理解することも、公表する決断をすることもできないため、トニーの家族は彼の意見なしに彼の診断についての情報を共有することを決断したそうだ。


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