ハリー・スタイルズ、初めて単独でヴォーグの表紙を飾った男性に
ハリー・スタイルズ、初めて単独でヴォーグの表紙を飾った男性に

 ハリー・スタイルズが、米誌ヴォーグの128年に及ぶ歴史で初めて単独で表紙を飾った男性となった。

 ジェンダーレスなファッションを積極的に取り入れていることで知られる彼は、2020年12月号の表紙でグッチのドレスを着こなしている。撮影は、2018年にアフリカ系アメリカ人のフォトグラファーとして初めてヴォーグの表紙を撮影したタイラー・ミッチェルが担当した。

 特集記事でハリーは、ロックダウン中はスウェットばかり着ていたと明かしつつも、子どもの頃から好きだった着飾ることへの欲求は消えていないと語っている。撮影現場にいた彼の姉で、作家兼アイウェア・デザイナーとして活躍しているジェマ・スタイルズは、二人の母親は姉弟にさまざまな服を着せたがったが、楽しんで協力していたのはハリーだけだったと回想している。彼女は、「(母は)張り子でかなり精巧な衣装を作ったりしていたの、たとえば巨大なマグカップに地図をペイントして、ハリーに“ワールド・カップ”の格好をさせるとか」と明かし、「あと、ハリーはちょっとした犬のダルメシアンの服を持っていたのよ、家族ぐるみの親しい友人からのお下がりだったんだけれどね。彼はあの服をちょっとやり過ぎなくらいずっと着ていたな。そしたら母が私にクルエラ・ド・ヴィルの格好をさせたの。常にどんな機会でも狙っていたのよ!」と振り返っている。

 現在26歳のハリーは、故プリンス、故デヴィッド・ボウイ、故エルヴィス・プレスリー、故フレディ・マーキュリー、エルトン・ジョンなど、多くの尊敬するミュージシャンからもファッションのインスピレーションを授かってきたと話している。“ショーメン”と呼ぶ彼らから受けた影響についてハリーは、「子どもの頃は、完全に度肝を抜かれる感じだった。今では、非常にきらびやかだと感じる何かを着たとしても、あまりぶっ飛んでいる感覚にはならない。自分が最高な気分になれる服を手に入れるということは、スーパーヒーローの衣装みたいなものなんだ。楽しんで、実験して、遊ぶために服はそこにあるのだから」と語っている。

 そしてハリー自身のファッションも、新型コロナウイルスで自主隔離を余儀なくされている多くのファンに楽しみと喜びを与えている。彼が今年『トゥデイ・ショー』に出演した際に、パール・ネックレスと合わせてリハーサルで着ていたカラフルなJW Andersonのパッチワーク・カーディガンが注目を集め、多くのTikTokユーザーが手作りでこのカーディガンを再現して投稿するというトレンドが生まれた。小売価格が1,560ドル(約16万円)以上もしたこのカーディガンが大きな話題になったことから、JW Andersonのデザイナーが感謝の気持ちを込めて実物のパターンを公開したほか、英ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館が、新型コロナ時代の創造性の一例としてハリーのセーターの実物を所蔵する運びとなった。

 ジェンダーレス・ファッションについて彼は、「あらゆる線引きが砕け散っている感じがすごくエキサイティングだよね。“男性用の服があって、女性用の服がある”(という認識)を取り除けば、境界を取り去れば、当然ながら自分がプレイするアリーナを広げることができるよね。僕はショップに入った際に、女性の服を素敵だなって眺めることがある。何でもそうだよね、自分の人生に境界を作ってしまうと、自分に制限をかけてしまうだけだ。服で遊ぶことには多くの喜びがある。自分ではあまり深く意味について考えたことはないよ、何かを創造する際の延長にあるものなんだ」と語っている。

 ハリーは、ヴォーグの表紙を飾った男性としては10人目となるが、同じくワン・ダイレクションの元メンバーであるゼインやジャスティン・ビーバーを含むほかの男性スターたちは、女性と一緒に登場していた。