【米ビルボード・アルバム・チャート】アリアナ・グランデ『ポジションズ』2週連続首位、ザ・キッド・ラロイ自己最高位マーク
【米ビルボード・アルバム・チャート】アリアナ・グランデ『ポジションズ』2週連続首位、ザ・キッド・ラロイ自己最高位マーク

 アリアナ・グランデの『ポジションズ』が2週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 先週、初動174,000ユニットを記録してNo.1デビューした『ポジションズ』は、半数以下の82,000ユニットまで減少したものの、3位から2位に上昇したポップ・スモークの『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』(57,000ユニット)と差をつけて1位を死守。前作『thank u, next』(2019年2月23日~3月2日)に続き、初登場から2週連続で同チャートを制した。これまで5枚のアルバムが1位にランクインしているが、意外にも2週を超えたのはこの2作のみ。

 82,000ユニットのうち、73,000がアルバム・ストリーミング(SEA)と全体の9割近くを占めていて、週間視聴回数も先週に続き、週間最大の9,950万再生を記録した。一方、セールスは前週から81%減少の8,000まで落ち込み、トラックごとのユニット(TEA)も1,000にとどまっている。

 『ポジションズ』と『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』はいずれもリパブリック・レコードからリリースされたアルバムで、同レーベルの作品が上位2作品を独占するのは過去3か月で8回目の記録となる。『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』は、1位に初登場した7月18日付チャートからTOP10にランクインし続け、10月24日付チャートでは約3か月ぶりに首位復帰を果たしている。

 先週の81位から3位にジャンプアップしたのは、ザ・キッド・ラロイの『Fuck Love』。8月8日付チャートで8位にデビューして以降TOP10圏外にランクダウンしていたが、11月6日に7曲を追加したデラックス・エディションがリリースされたため、ストリーミングを中心にポイントを伸ばし再浮上に繋げた。週間ユニットは先週から458%増加の52,000まで上昇し、初週で打ち出した40,000を超える自身最大の週間ユニットを更新。また、順位も初登場の8位を上回る自己最高位を更新し、自身初のTOP3入りを果たした。

 ルーク・コムズの『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』(46,000ユニット)は4位をキープし、5位には米シカゴ出身のラッパー=キング・ヴォンの『Welcome to O'Block』がランクインした。

 本作『Welcome to O'Block』は、10月30日にリリースされたキング・ヴォンのデビュー・アルバムで、先週のチャートでは13位に初登場したばかりだが、翌11月6日に米アトランタのクラブで銃殺され26歳という若さで死去。その訃報を受け、前週の26,000ユニットから69%増加の44,000ユニットまで上昇し、皮肉にも死後初のTOP10入りを果たす結果となった。今週は、今年2月に銃殺された前述のポップ・スモークと、昨年12月にオーヴァードーズで死去したジュース・ワールドが7位に、若くして亡くなったラッパーの作品がTOP10に3作もランクインしている。

 続いて6位にデビューしたのは、11月6日に発売されたNAVの新ミックステープ『Emergency Tsunami』。初動ユニットは42,000で、そのうちアルバム・ストリーミングが35,000、アルバム・セールスは7,000だった。週間ストリーミングは4,640万再生を記録している。TOP10入りは5月23日付チャートで1位にデビューした3rdアルバム『グッド・インテンションズ』、同1位を獲得した2ndアルバム『バッド・ハビッツ』(2019年)、最高8位を記録したデビュー・アルバム『レックレス』(2018年)に続く4作目。

 テイラー・スウィフトの『フォークロア』は、公式ウェブサイトで販売されたLPの売上が加算され、前週から52%増加の29,000ユニットを獲得して27位から10位にTOP10復帰した。週間セールスは309%増加の14,000に跳ね上がり、そのうちLPの売り上げは9,000枚を占めている。LPの予約は7月24日より開始されたが、購入者に提供されてから売上としてカウントされるため、今週のセールスとして加算されたことになる。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、11月20日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『ポジションズ』アリアナ・グランデ
2位『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』ポップ・スモーク
3位『Fuck Love』ザ・キッド・ラロイ
4位『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』ルーク・コムズ
5位『Welcome to O'Block』キング・ヴォン
6位『Emergency Tsunami』NAV
7位『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』ジュース・ワールド
8位『マイ・ターン』リル・ベイビー
9位『ハミルトン:アン・アメリカン・ミュージカル』サウンドトラック
10位『フォークロア』テイラー・スウィフト