米ライブ・ネイション、ドライブ・イン・コンサート・シリーズ開催を発表
米ライブ・ネイション、ドライブ・イン・コンサート・シリーズ開催を発表

 現地時間2020年6月22日、米大手コンサート・プロモーターのライブ・ネイションが、アメリカ国内での同社初のドライブ・イン・コンサート・シリーズ【Live from the Drive-In】の開催を発表した。7月10~12日の期間、米テネシー州ナッシュビル、米ミズーリ州メリーランド・ハイツ、米インディアナ州ノーブルズビルで合計9公演行われる。

 【グラミー賞】受賞歌手ブラッド・ペイズリーが3都市すべてでヘッドライナーを務め、カントリー・アーティストのダリアス・ラッカー、ジョン・パーディはナッシュビル、ネリーはメリーランド・ハイツ公演に出演する。

 デビュー・アルバム『Country Grammar』の20周年を祝うネリー、ピンク・フロイドのトリビュート・バンドのエル・モンステロは共にメリーランド・ハイツ近郊のセント・ルイス出身で、ハリウッド・カジノ・アンフィシアターの駐車場にて、ジョン・パーディとヨット・ロック・レヴューはインディアナポリス近郊のルオフ・ミュージック・センターの駐車場にて演奏する。チケットは今週金曜日発売で、価格は変動するようだが、一番安いチケットで車1台125ドル(約13400円)、4人乗車の場合1名あたりおよそ31ドル(約3300円)となる。

 コンサート参加者は、車1台あたり最大4名まで各会場の駐車場に車で入ることができる。各車両間に車2台分が空いた駐車スペースがあるため、ファンは指定されたプライベート・ビューイング・ゾーンからライブを鑑賞したりパーティーをすることができる。参加者は、食べ物や飲み物、椅子を持参し、車の周りに設置するよう勧められており、ステージもしくはLEDスクリーンに映されるアーティストを鑑賞できる。

 すべての会場スタッフはマスク着用が義務付けられており、ライブ・ネイションは参加者に会場到着時にはマスク着用を依頼している。チケットは車の窓越しにスキャンされるため、直接の接触は不要となる。指定されたプライベート・ビューイング・ゾーンに入れば、参加者のマスク着用は不要となる。また、手袋を着用する必要もない。

 ライブ・ネイション米国コンサート会場社長のトム・シーは、パンデミックの最中、公演を開催する安全で楽しい方法を見つけるために何か月も費やしたと語った。「私たちは地元管轄区域とのパートナー達と何度も話し合い、どんな局面においても社会的距離を保ちながらファンに素晴らしく快適な体験を提供するにはどうすればいいか、何か月も打ち合わせをしてきました。これらの関係とコミュニケーションで、私たちは許可を得ることに成功しました」とAP通信のインタビューで語った。「1回きりの開催で、終わりにしないということが重要でした。1回きりで終わりというのはコンサート業界を牽引するライブ・ネイションではないのです。もっと大きな意思表示をしたかったのです」と付け加えた。

 「ドライブ・イン・コンサートをするなら、安全性など重要な部分がしっかりできるていることを確かめたかったので、実際に行えることに非常に興奮しています」とブラッド・ペイズリーはAP通信のインタビューに答えた。「私の目標はこのウイルスを誰にも広めないことです。このドライブ・イン・コンサートで誰一人として感染しない。それが鍵です。もし人々を危険にさらしているのなら、公演をする価値はないと思います」と説明し、「屋外でのライブというアイデアが素晴らしい。屋外でコンサートを観るのは楽しいと思います。ウイルスがなければ、楽しいでしょう」と付け加えた。

 ミズーリ州の公演では、社会的距離のガイドラインを取り入れても、1000台の車の駐車が可能だとトム・シーは言う。会場でグリルやバーベキューは禁止されているが、調理済みの食べ物や飲酒運転をしなければアルコールなどの飲み物を持ち込むことは可能である。また、温かい食べ物とノンアルコール・メニューは会場で購入可能で、オンラインで注文後、商品はプライベート・ビューイング・ゾーンまで届けられる。

 ファンはトイレを使用する時のみ指定されたエリアから離れられる。トイレは定期的に掃除され、トイレに行く時はマスク着用が勧められている。

 トム・シーは「トイレを使用するために長距離を歩く必要はありません」と述べ、「昔ながらのドライブ・インのアイデアは理解できます。車の中にずっといて、FMトランスミッターを介して音を聞く。でも、それらは私たちのライブでは必要ないです。私たちは車2台分のスペースを提供します。車を駐車し、車の外で友人と一緒にコンサート専用のスピーカーとスクリーンで音楽を楽しめます。これがドライブ・インとコンサートの違いです」と説明した。