ケンドリック・ラマー、アーティスト・フレンドリーな新サービスpgLangを発足
ケンドリック・ラマー、アーティスト・フレンドリーな新サービスpgLangを発足

 2020年3月5日、ケンドリック・ラマーがSNSに復帰し、マネージャーのデイヴ・フリー(Dave Free)と共に<pgLang>と名付けた多言語のアーティスト・フレンドリー・サービスを立ち上げると発表した。<pgLang>はレコード・レーベル、映画スタジオ、出版社が組み合わさった事業になるとのことだ。

 <pgLang>のウェブサイトには、「我々のコミュニティーは異なる言語を話し、好奇心旺盛な者たちのためにフォーマットを壊す。我々はクリエイターだ」と記載されており、その下にはヴィジュアル・ミッション・ステートメントとして約4分半の動画が公開されている。

 スタイリッシュな短編映画のようなこの動画は、ラマーの従兄弟で新人ラッパーのベイビー・キーム(Baby Keem)と、『Grown-ish』に出演している女優のヤラ・シャヒディが主演しており、彼女がキームに促されるままスマホの電源を落とし、一緒に太陽を眺めるシーンから始まる。すると太陽の光に吸い込まれていくような感覚のあと、“現在”へといざなわれる。

 そしてキームの「Jump 2」などをBGMに、彼とラマーが米ブルックリンの地下鉄の駅構内を歩き回る映像などが展開する中、エフェクトがかかった声でアイデンティティーのコンセプトや自分自身に嘘をつくと不幸になるという趣旨のナレーションが入り、シャヒディは“今”へと消えてゆく。最後にジョルジャ・スミスも登場し、広い駐車場の照明の上で悠々と寝そべるラマーを見上げている。

 <pgLang>のモットーは、“Selfless. Reset”(無私無欲。リセット)であるとラマーはプレス・リリースで発表している。「この刺激過多な時代に、草の根のパートナーシップから未開の表現を育むことに我々は集中する」とフリーはコメントしている。

 「我々は欠陥に最も興奮する。何にでも美しさを見出せる者たちと仕事がしたい。誰かがやってきて“この黒い電話は青い”と言ってもいい。クールだ、君の見方が知りたい」とリリースに記載されている。

 <pgLang>が提携する最初のアーティストとなったベイビー・キームは、「宇宙飛行士のようなアイデア。欲しいと分かっているけれど、孤立しているものをそう読んでいる。分かる?自分にとって何もかもが論理的に筋が通ってなくてもいいんだ。そうやって自分の考え方を新鮮に保つんだ。ほかの誰もが困惑しようとも、自分の宇宙飛行士のようなアイデアを大事にして発展させる」とコメントしている。

 ウェブサイトには限定のウェアも発売されていたが、現在すべて完売となっている。