【米ビルボード・ソング・チャート】「恋人たちのクリスマス」首位キープ、チャート史上初となるホリデー曲が1&2位を独占
【米ビルボード・ソング・チャート】「恋人たちのクリスマス」首位キープ、チャート史上初となるホリデー曲が1&2位を独占

 マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が2週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 先週、発売25周年目にしてNo.1獲得を果たした同曲は、週間5,440万視聴を記録して、ストリーミング・チャートでも3週目の1位をマーク。この記録は、今年の1月5日付チャートで3位まで上昇した際の5,190万視聴を超える、同曲最大の週間ストリーミングとなる。デジタル・ソング・セールス・チャートでは、前週から44%ダウンし1位から7位に順位を落としているが(15,000ダウンロード)、エアプレイ・チャートでは26%増加の4,290万回を記録し、27位から14位にジャンプアップしている。

 ホリデー・ソングでNo.1獲得を果たしたのは、同曲とアルビン&ザ・チップマンクスによる「ザ・チップマンク・ソング」の2曲のみ。1位の最長記録は「ザ・チップマンク・ソング」の4週(1958年12月22日~1959年1月12日付チャート)で、「恋人たちのクリスマス」がこの記録に並ぶか、ということにも注目が集まる。次週トップを維持できれば、その記録に王手をかける。

 また、次週は2020年1月4日付チャートになるため、マライアが3週目の首位獲得を果たせば、90年代、2000年代、2010年代、そして2020年代までの4年代で1位を記録した唯一のアーティストとなる。次週の集計期間がクリスマス・ウィークであること、そして12月20日に同曲の新ミュージック・ビデオが解禁されたため、3週目の首位獲得はかたいと思われる。

 マライアは、90年代に7枚のスタジオ・アルバムをリリースしているが、今年「恋人たちのクリスマス」が首位を獲得したことで、その7枚のアルバムからの先行シングル全てがHot 100チャートで1位を獲得するという快挙も達成。1992年リリースのライブEP『MTVアンプラグド』からの先行シングル「アイル・ビー・ゼア」も首位を獲得しているため、実質8作からの先行シングルが全てがNo.1を記録したことになる。その他には、2008年にリリースした11thアルバム『E=MC2』からの先行シングル「タッチ・マイ・ ボディ」も、首位獲得を果たしている。

 「恋人たちのクリスマス」に続き、先週3位に浮上したブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」も、2位に最高位を更新している。初のランクイン(1960年12月12日付チャート)からは約59年を経ての快挙達成。週間4,530万視聴を記録し、ストリーミング・チャートでは3位から2位に上昇。当週は、アニメーションによる新ミュージック・ビデオが公開されたことで視聴回数が大幅に増加した。デジタル・ソング・セールス・チャートでは38位から30位に、エアプレイ・チャートでは34位から33位に、それぞれランクアップしている。これをうけて、Hot 100史上初となるホリデー・ソングが1位と2位にランクインすることとなった。

 その他にも、バール・アイヴスの「ホリー・ジョリー・クリスマス」が10位から6位に最高位を更新し、ボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」が15位から9位にTOP10入りを果たすなど、ホリデー・ソング計4曲がランクインした。今年の1月5日付チャートでも同4曲がTOP10入りしたが、「ジングル・ベル・ロック」以外の3曲は最高位、週間ストリーミング数いずれも記録を更新している。TOP10以下では、ワム!の「ラスト・クリスマス」が26位から17位にランクアップし、1984年のリリースから35年を経て最高位を更新。ストリーミングが上昇すれば、次週TOP10入りするだろう。

 今年は、更にチャートにおけるストリーミング・ポイントの重要性が高まり、過去の名曲もこうして上位にランクインできるようになった。この傾向からみると、来年以降は「恋人たちのクリスマス」以外の楽曲も1位を獲得する可能性が十分に考えられる。その時期を狙って、クリスマス関連の楽曲を発売するアーティストも増えるかもしれない。

 ポスト・マローンの「サークルズ」は、それらクリスマス・ソングに埋もれ2位から3位に後退したが、週間9,670万回を記録して、自身初となるエアプレイ・チャート首位に輝いた。また、次のNo.1候補と期待されていたアリゾナ・ザーヴァスの「ロクサーヌ」も、6位から4位に上昇。ラップ・ソング・チャートでは4週目の1位をキープし、R&B/ヒップホップ・チャートでは、自身初のNo.1獲得を果たしている。

 今週5位に初登場したのは、リル・ウージー・ヴァートの新曲「フットサル・シャッフル 2020」。週間4,090万視聴を記録し、ストリーミング・チャートでは3位に、週間6,000ダウンロードを売り上げ、デジタル・ソング・セールス・チャートでは29位にそれぞれデビューしている。TOP10入りは、フィーチャリング・アーティストとして参加したミーゴスの「バッド・アンド・ブージー」(2017年 / 1位)、リード曲として初のランクインを果たした「XO TOUR Llif3」(2017年 / 7位)に続く3曲目。自己名義のシングルとしては、最高位更新となる。曲に合わせたダンス動画を拡散させるべく、「#FutsalShuffle」というハッシュタグをつけてSNSに投稿したことで火が付いた。

 前述にもあるように、次週はクリスマス・ウィークの集計期間にあたるため、ホリデー・ソングがさらに上昇することが予想される。TOP10のランクイン曲数もおそらく更新されるだろう。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、12月27日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
2位「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー
3位「サークルズ」ポスト・マローン
4位「ロクサーヌ」アリゾナ・ザーヴァス
5位「フットサル・シャッフル 2020」リル・ウージー・ヴァート
6位「ホリー・ジョリー・クリスマス」バール・アイヴス
7位「メモリーズ」マルーン5
8位「サムワン・ユー・ラヴド」ルイス・キャパルディ
9位「ジングル・ベル・ロック」ボビー・ヘルムズ
10位「グッド・アズ・ヘル」リゾ