クリームのドラマー、ジンジャー・ベイカーが80歳で死去

2019/10/07 15:40

クリームのドラマー、ジンジャー・ベイカーが80歳で死去
クリームのドラマー、ジンジャー・ベイカーが80歳で死去


 2019年10月6日、クリームのドラマーで創立メンバーだったジンジャー・ベイカーが死去した。享年80歳だった。2016年に自宅で倒れた彼は、その後心臓病の治療のために開胸手術を受け、数週間前に危篤状態で入院しているとSNSで発表があったばかりだった。
 1966年にエリック・クラプトン、故ジャック・ブルースとパワー・トリオ、クリームを結成。ブルースとポップ・ミュージックを融合させたサウンドで1968年に「Sunshine of Your Love」(5位)、「White Room」(6位)を米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”に送り込んだ。同年バンドは解散したが、2005年に英ロイヤル・アルバート・ホールでのレジデンシーのため再結成し、この時の演奏はライブ・アルバム『Royal Albert Hall London May 2-3-5-6, 2005』に収められている。クリームの結成期間は2年のみだったにも関わらず、世界で3,500万枚ものセールスを記録している。
 クリームの解散後、ベイカーは1969年にクラプトン、故リック・グレッチ、トラフィックのスティーヴ・ウィンウッドと共にブラインド・フェイスを結成したが、セルフ・タイトル・アルバムを1枚リリースし、ツアーを1回開催しただけでクリームよりも早く解散してしまった。その後1972年に彼は、ジャズ・フュージョンとアフロ・ビートに取り組んだ2枚のソロ・アルバム『Ginger Baker at His Best』と『Staratavarious』をリリースした。
 1980年からはサイケデリック・ロック・バンド、ホークウィンドのドラマーとして短期間在籍し、同バンドの長い歴史で12人以上いたドラマーの一人となった。また、英ロック・バンド、パブリック・イメージ・リミテッドの1986年のアルバム『アルバム』で演奏したり、ビル・フリゼール、故チャーリー・ヘイデンとジャズ・トリオを結成するなど、ブルース・ロックにとどまらない音楽性を追求した。
 2009年には自叙伝「Hellraiser: The Autobiography of the World’s Greatest Drummer」を出版し、2016年に心臓病と診断されるまでドラマーとして活躍し続けた。当時彼は公式ブログに、「さっき医者に診てもらった。ショックがでかい。この老いぼれドラマーはもうライブはできない。全てキャンセルだ。事もあろうに心臓を患うなんて思いもしなかった」と心境を綴っていた。

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