<ライブレポート>テリー・リード、“ロック界のレジェンド”が来日公演で魅せた愁いを帯びた歌声とギター
<ライブレポート>テリー・リード、“ロック界のレジェンド”が来日公演で魅せた愁いを帯びた歌声とギター

 国内観測史上、最も遅い梅雨入りを記録し、サミットの開催に伴って各国の要人が訪れつつある6月下旬の大阪に、ロック界のレジェンドもまた降り立っていた。
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 「Superlungs」の異名を誇る英国の伝説的シンガーソングライター/ギタリスト、「テリー・リード」だ。彼の来日は、「ローリング・ココナツ・レビュー・ジャパン・コンサート1977」以来で、ビルボードライブ大阪には初登場となる。

 1960年代に音楽キャリアをスタートさせ、ソウルフルな歌声やロック、ソウル、そしてソウルなどを昇華した独自の音楽性で数々の傑作を残してきた彼。ザ・ローリング・ストーンズ、クリーム、フリートウッド・マックなどのツアーサポートを行い、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジがその歌声に惚れ込み、バンド結成時にリード・シンガーに誘ったことでも知られている。ギタリスト&ソングライターとしても活躍しており、1980年代にはドン・ヘンリー、ジャクソン・ブラウンなどの作品にも参加、1990年代にはミック・テイラーとツアーを行い、近年はジョー・ペリーのソロ・アルバムやDJシャドウの楽曲に参加するなど、若い世代からも多大なリスペクトを受ける存在である。

 フィル・ジョーンズのドラムカウントに合わせ、ジム・ウィルソンが緩やかにベースラインを重ね、ロバート・デイヴィッドがギターをかき鳴らす。高鳴るバンドサウンドに合わせ、テリー・リードがステージに登場した。ワイングラスを片手に「Good Evening」と、客席に語りかけ、ギターを爪弾き始める。1960年代以降、彼のキャリアを彩った名曲の数々や、往年のロックナンバーのカバーが披露されていく。グルーヴィーなリズムにのせて奏でられる、愁いを帯びた歌声、そしてギターの音。一音一音が味わい深く、長い年月、経験と共に培われ、今なお進化と深化を続けるレジェンドのステージに、多くの観衆が引き込まれていた。楽曲の合間、当時のエピソードなどを織り交ぜつつ、会場を見渡す眼差しは温かく穏やかで、音楽と共に歩んできた堅実な人柄を感じさせた。

 6月最後の週末にはビルボードライブ東京で公演が行われる。現在進行形で歩み続ける"生けるレジェンド"のステージをぜひ体感して欲しい。

Photo by Kenju Uyama
Text by 杉本ゆかり

◎公演情報
【テリー・リード】
2019年6月27日(木)※終了
ビルボードライブ大阪

2019年6月29日(土)・30日(日)
ビルボードライブ東京
1st ステージ 開場15:30 開演16:30
2nd ステージ 開場18:30 開演19:30