故マイケル・ジャクソンの児童虐待疑惑に迫るドキュメンタリーの予告編が公開
故マイケル・ジャクソンの児童虐待疑惑に迫るドキュメンタリーの予告編が公開

 故マイケル・ジャクソンの児童虐待疑惑を扱ったHBOドキュメンタリー『Leaving Neverland(原題)』(リーヴィング・ネバーランド)の予告映像が2019年2月19日に公開された。1月に【サンダンス映画祭】でプレミア上映された際、マイケルの管理財団が「扇情的な誹謗中傷の類い」であると非難した4時間に及ぶ大作だ。

 約2分の予告では、子どものころにマイケルから性的虐待を受けていたと主張するウェイド・ロブソン(Wade Robson)とジェイムズ・セーフチャック(James Safechuck)が、自身の体験を語る音声から始まっている。セーフチャックは冒頭で、「誰もがマイケルに会いたいと、彼と一緒にいたいと思っていた。そして彼に気に入られるんだ」と話している。

 マイケルの管理財団と遺族は、二人が今になって彼から性的虐待を受けたと語ったことに“憤慨している”と声明を出した。マイケルは生前、邸宅の“ネバーランド・ランチ”の強制捜索を含めて徹底的に調べられた上、別の男性に関する児童虐待裁判で2005年に無罪判決を受けたと遺族は指摘している。

 現在41歳のロブソンは、ブリトニー・スピアーズ、イン・シンク、デミ・ロヴァートなどの有名アーティストと仕事をするダンサー兼振付師だ。オーストラリア出身の神童だった彼はマイケルの目に留まり、7歳だったころに家族とともにネバーランドに招待された。彼の母親は予告で、「あれはファンタジーだった」と述べ、悩みをすべて忘れてさせてくれるような場所だったと振り返っている。

 子どもたちは遊園地のようなネバーランドで鬼ごっこをしたり、山ほど用意してあったお菓子を好きなだけ食べながらホーム・シアターで映画を見たり、夢のような日々を過ごした。当時のマイケルについては、何十歳も年齢差があったにもかかわらず、「自分の歳に近い友達と遊んでいるようだった」と彼らは回想している。

 ロブソンの母親もマイケルの印象について、「愛情深く、親切で、優しい心」を持った人物だと思っていたと話している。だがマイケルは、彼らの行為が他人に知られたら、二人とも一生刑務所で過ごすことになるだろうとロブソンを脅していたそうだ。彼は2005年の裁判で弁護側の証人として、マイケルの部屋で寝たことは何回もあったが、虐待はなかったと証言した。現在37歳で元子役だったセーフチャックも同じような証言を幼少のころに捜査員にしていたが、二人ともこのドキュメンタリーでは虐待が何年も続いていたと主張している。

 このことからマイケルの管理財団は声明で二人を“偽証者”と呼んでいるが、監督のダン・リード(Dan Reed)は二人の申し立ての信頼性について疑いはないと語っている。マイケルは2009年に死去し、ロブソンとセーフチャックは2013年にあらためて性的虐待を告発した。法規上の理由で一度棄却されたものの、現在上告中だ。

 HBOの『Leaving Neverland』は、2019年3月3日と4日に前後編として全米で放送される。

◎『Leaving Neverland』予告編
https://youtu.be/R_Ze8LjzV7Q