<イベントレポート>bonobos/オウガ/向井太一/雨パレ/スペアザ(スペアコ)が登場、大阪文化芸術フェス&FM802共催ライブ 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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<イベントレポート>bonobos/オウガ/向井太一/雨パレ/スペアザ(スペアコ)が登場、大阪文化芸術フェス&FM802共催ライブ

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<イベントレポート>bonobos/オウガ/向井太一/雨パレ/スペアザ(スペアコ)が登場、大阪文化芸術フェス&FM802共催ライブ

<イベントレポート>bonobos/オウガ/向井太一/雨パレ/スペアザ(スペアコ)が登場、大阪文化芸術フェス&FM802共催ライブ


 9月29日から11月4日まで、大阪府内で開催されていた「大阪文化芸術フェス2018」。文化を核とした大阪発展のムーブメントを起こすことを目指し、万博記念公園をはじめ、府内のホール・劇場や公園で音楽、アート等、様々なプログラムを展開されてきた。
ライブ写真(全12枚)

 期間中最後の週末となる11月3日・4日の2日間、大阪市北区中之島にある「大阪市中央公会堂」では、大阪文化芸術フェス2018とFM802の共催イベント「RADIO HARVEST in NAKANOSHIMA」が開催された。

 「大阪市中央公会堂」は、今年で開館100年を迎える国の重要文化財でありながら、レンタルスペースとして大阪市民にも広く開放されており、大阪の知と文化と歴史のシンボルとも言える場所である。そんな大阪市中央公会堂を舞台に、ファッションやフード、カルチャーなどをベースにした"オシャレでかわいい休日"をコンセプトに、2日間のイベントが行われた。

 まず入口を入ってすぐのスペースではレディースファッション雑誌「FUDGE」のオフィシャルショップが登場。さらに3階の中集会室では、アパレルや雑貨・アクセサリー、更にワークショップなど、関西を拠点に活動するクリエイターたちのポップアップブースも多数出店。イベントのスタート前や、ライブの転換中、終演後などにも立ち寄り、買い物を楽しむ人も多かったようだ。

 1日目・3日には、「RADIO HARVEST SPECIAL PREVIEW」と題し、2階の大会議室で映画『生きてるだけで、愛。』の試写会が行われた。芥川賞受賞作家・本谷有希子の傑作小説を映像化した話題の作品で、趣里・菅田将暉が主演。11月9日の全国公開に先駆け、現代の若者の生き様を繊細かつ丁寧に描いた作品に、思わず涙を流す人の姿も見られた。また舞台挨拶では主演の女優・趣里が登場。体当たりの演技で挑んだ今作への想い、そして来場者への感謝を語った。
 2日目・4日には、同じく大会議室で毎週火曜深夜25時放送のプログラム「MIDNIGHT GARAGE」によるLIVE STAGEが行われた。開演前には薄紅色の着物をまとった番組DJ土井コマキ(FM802 DJ)が登場。開幕宣言の後、トップバッターで登場したのはbonobos。レゲエ、ダブ、ヒップホップ、ソウルなど様々な要素を内包しつつ、常にポップスの最前線で音楽を生み出し続けている彼らの出発点は、ここ大阪。蔡忠浩(Vo)はかつて中之島近くにある学校に通っており、学生時代は中央公会堂で絵を描いていたこともあるそうだ。そんな大阪時代の思い出を振り返りつつ、EGO-WRAPPIN'はじめ大阪出身のアーティストたちが立ったステージに、自身も立っていることに感慨深い表情を浮かべていた。

 続いて登場したのは、ORGE YOU ASSHOLE。轟音の向こう側に響く、圧倒的なグルーヴ。実験的かつ先鋭的でありながら、壮麗なホールを揺らす重低音、メロウさを帯びたエモーショナルなサウンドに会場中が魅了されていく。聴き入るうちに、意識の深い部分まで潜り込んで来るような、濃密かつ妖艶な音世界。繰り返されるフレーズは、やがて静かな熱を帯びながら残響の彼方へと昇華していった。

 3番手は福岡県出身のシンガーソングライター、向井太一。MOP of HEADのメンバーをサポートに迎え、縦横無尽に打ち鳴らされるビートにのって、伸びやかに歌う姿は実に軽やか。11月28日にリリースとなるニュー・アルバムのタイトル曲「Pure」もこの日ライブで初披露された。ブラックミュージックを基軸としながらも、ラップやフェイク、ファンク、更にはバラードまで、自在にメロディを操る歌唱力はまさに圧巻であった。

 「こんな場所でアコースティックライブってレアだよね」と感慨深げに会場を見渡したのは、4番手 雨のパレードの福永浩平(Vo)。感情の機微を丁寧に描いた言葉を、切なくも優しさを帯びた歌声で繊細に歌い上げる。この日はこれまでアコースティックアレンジしたことがなかったという「You&I」も披露されたほか、イベントに合わせて親交の深いファッションブランド「UNDECORATED」の衣装で演奏するなど、普段のライブとは違った一面が見えたステージだった。

 大トリで登場したのはSPECIAL OTHERS ACOUSTIC。その名の通りSPECIAL OTHERS(通称スペアザ)のアコースティックプロジェクトだ。スペアザの持つハッピーなバンドサウンドはそのままに、よりオーガニックで温度感の伝わる演奏となっていた。MCでは「この会場、すごく響きが良いから、滑舌良く話さなきゃ~」という宮原"TOYIN"良太(Dr)のトークから、話題は何故か石柱の値段へと飛躍。「トリに相応しいMCしなきゃ」「ムリだろ」そんな彼ららしい飄々としたMCに、会場から笑いが起こっていた。

 今回のイベントは着席スタイルながら、オーディエンス自身が自分のペースで音楽に身を任せ、コール&レスポンスやハンドクラップで応えながら、イベントを楽しんでいた。そしてアーティストもまた、中央公会堂という空間に流れる濃密で穏やかな空気を楽しみつつ、リラックスしたムードで演奏していたように見受けられた。文化の発信地・大阪市中央公会堂で行われた、ライブハウスとは異なる特別なひととき。「RADIO HARVEST」というタイトルに相応しい、実り豊かな時間だった。

Text by 杉本ゆかり
Photo by FM802


◎イベント情報
【大阪文化芸術フェス2018共催イベント 「FM802 presents RADIO HARVEST in NAKANOSHIMA」
FM802 MIDNIGHT GARAGE SPECIAL LIVE】
日時:2018年11月4日(日)※終了
会場:中央公会堂 大集集会室
出演アーティスト:雨のパレード/OGRE YOU ASSHOLE/SPECIAL OTHERS ACOUSTIC/bonobos/向井太一
MC:土井コマキ


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