ハリー・スタイルズ、ティモシー・シャラメとのインタビューで次回作について語る
ハリー・スタイルズ、ティモシー・シャラメとのインタビューで次回作について語る

 ハリー・スタイルズがティモシー・シャラメをインタビューするという、双方のファンが卒倒するような特集記事をi-Dマガジンが公開した。世界的アイドル・グループ、ワン・ダイレクションの一員として、さらにはソロ・アーティストとしても確固たる存在感を発揮しているハリーと、彗星の如く現れ、ジェームズ・ディーン/リバー・フェニックス/レオナルド・ディカプリオの再来とも称される2018年を代表する若手スターのティモシーは、ネットではその類似性を度々指摘されてきたが、意外にもこれが初“対面”だったそうだ。

 電話インタビューの形式で行われたこの対談は、新作映画『Beautiful Boy(原題)』のプロモーションの一環としてティモシーのリクエストで実現したようだ。二人は最初から意気投合し、まるで昔からの友人同士のように腹を割って互いの仕事への向き合い方や、家族や親しい人との関係、クリストファー・ノーラン愛、そして今後のプロジェクトなどについて語り合っている。

 最初にハリーは、故デヴィッド・ボウイの言葉、“創造性とは大海に泳ぎ出るかのような行為だ。足が届かないところまで泳ぐと、ちょっと怖くなるが、そこで最高の仕事ができる”を引用し、「そう思う?」とインタビューを開始している。ティモシーは同意し、別の言葉を引用して質問に答えている。「“アーティストに向かって‘勇気があるね’って誰かが言うとき、それは実は‘イかれてるね’って意味だ”って言葉を思い出したよ。自分が演技をしているときに、骨に電流が走るような感覚があるとしたら、それは自分のキャパを少し超えていたり、制御が効かなくなっているってことだと思う」と彼は語っている。

 そこから、仕事である程度のリスクを取る必要があることや、経験や失敗から学べることについて語り合った流れから、普段は役を引きずらないティモシーが『Beautiful Boy』で演じたドラッグ中毒の若者の役からはなかなか気持ちを切り替えることができなかったことを明かしている。ハリーに、「中毒とは多くの人に影響を与える病であることは広く知られているはずなのに、何故いまだに秘密にされ、恥とされるのだと思う?」と聞かれたティモシーは、「そう思っている方が楽だからじゃないかな。中毒に“顔”を与え、自分や家族や愛する人は影響されないと思う方が慰めになるんだよ」と考えを述べている。

 ハリーは、ミュージック・ビデオや映画の撮影の際、友人だけにわかるような秘密のメッセージを、友人の子どもが作ったネックレスなどの形でこっそり入れ込んでいると明かしている。一方でティモシーは、大ヒット映画『君の名前で僕を呼んで』の重要なシーンの撮影中に、気持ちを高めるためにスフィアン・スティーヴンスの「ヴィジョンズ・オブ・ギデオン」をイヤホンで聴いていたそうだ。ハリーはもちろん、映画に登場する“桃”のシーンについても聞いている。

 二人とも両親との関係は良好で、ハリーはツアー中に両親が顔を出してくれると嬉しかったと明かし、ティモシーは『Beautiful Boy』のプレミア上映の際に撮影された誇らしげな両親の写真に「いい意味で胸が破裂しそうなくらい」圧倒されたと語っている。また、二人とも日記をつけており、アイデアを忘れないようにするという側面と、自分の気持ちをその都度書き留めることで、地に足をつけておく効果もあるのだと話している。

 今後の仕事については、ティモシーは『レディ・バード』で仕事をしたグレタ・ガーウィグ監督による最新版『若草物語』や、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による『デューン』のリメイクなどが控えており、ハリーは現在次回作を制作中であることを明かしている。「今2ndアルバムを作ってるから、それをやりながら本をたくさん読んで、どうなるか様子見ってところかな」とハリーは今後の予定について語り、「(映画)“ダンケルク”の役が決まったのは、1stアルバムの制作を始めてすぐのことだった。だから、5か月ほどすべてストップしなければならなかった。でもそういうのってよく起こることだから。正直なところ、(どうなるか)わからないことを楽しんでいるよ」と新作の制作プロセスについて明かしている。

 さらにハリーは、ソロ活動をスタートした際、自分でも何をやっているのかわかっていなかったと認め、「だから可能な限り(曲を)書くことにしたんだ。できるだけ多くの人と書いて、ありったけのことを学ぼうと。いいものが書けるようになるまで、ものすごく最低なものをたくさん書いてきたって保証するよ」と振り返っている。

 インタビューの最後にハリーが尋ねた、「もしこれから死ぬまで1曲だけしか聴けず、映画を1本だけしか観れず、本を1冊しか読めないと言われたら何を選ぶ?」という問いかけにティモシーは、曲はキッド・カディの「Rain」、映画は『パンチドランク・ラブ』、本は今読みかけだというフェルナンド・ペソアの『The Book of Disquiet/不安の書』を挙げている。

 一方ハリーは、曲はヴァン・モリソンの「マダム・ジョージ」、映画は『グッドフェローズ』、そして本はなぜか2冊、ロブ・シェフィールドの『ラブ・イズ・ア・ミックステープ』と村上春樹の『ノルウェイの森』をティモシーに読むよう勧めている。