ソランジュ、今秋リリース予定の新作や創作の原動力について語る「中心にはジャズがかなりある」
ソランジュ、今秋リリース予定の新作や創作の原動力について語る「中心にはジャズがかなりある」

 ソランジュがニューヨーク・タイムズ・スタイル・マガジンのインタビューに応じ、ニュー・アルバム、マルチメディア・アーティストとして活動する理由、創作の原動力などについて語っている。

 秋にリリース予定のタイトル未定の5thアルバムでは、新たな境地を切り開いているようだ。「中心にはジャズがかなりある。でも激しくて、体の中心をガタガタ揺らすようなものにしたかったからエレクトロニカとかヒップホップ、ドラムンベースも入っている」と彼女は説明している。

 前作から2年ぶりのリリースとなるが、ソランジュに焦りはない。新たに生まれた楽曲を編集するのは、まず“13のやり方で”ストーリーを語ってからで、伝えたいメッセージが完璧に伝達されるよう確認してからだという。長年脚光を浴びてきた彼女は今でも創作に関して不安を感じていると明かしており、「体の中に、作品をリリースをすることへの恐怖が棲みついている。送信ボタンを押す前にそれを感じないアーティストなんて知らない」と語っている。

 2016年のアルバム『ア・シート・アット・ザ・テーブル』は米国において黒人女性であることについて社会が話し合うきっかけを作った意欲作で、ソランジュはこの作品を通して黒人女性の自分に対しての見方を変えたかったと話している。「あれは自分のパンク・アルバムといつも呼んでた。自分が現状を揺り動かして、うるさくするべきタイミングだって思ったから」と彼女は振り返っている。

 自己表現の欲求は早くからあったソランジュは14歳から曲を書き始めたが、これはデスティニーズ・チャイルドのツアー中に怪我をしたことがきっかけで、「体が表現できない別の側面を表現する必要を感じたから」と明かしている。

 彼女はその後、芸術という別のメディアにも挑戦するが、これは“一般的に白人主体の場に黒人層を集客する手段としてだった”とニューヨーク・タイムズは論じている。パフォーマンスやデジタル・アート、そして彫刻などの彼女の芸術作品はこれまでに米ニューヨークのグッゲンハイム美術館や英ロンドンのテート・モダン美術館などで展示されてきた。

 そんなソランジュの創作の原点には、常に近くにいた黒人女性たちとの強い絆があった。「私は4人の黒人女性がいる家庭で育った。母と、姉(ビヨンセ)と、ケリー(・ローランド)と、アンジー(Beyince、従姉妹)。自分が一番安心できるのはそこ。我が家のように感じる。元気が出るんだ」と彼女は語っている。