じわじわと人気拡大中、美しい旋律に心を奪われる1曲 / 「メント・トゥ・ビーfeat.フロリダ・ジョージア・ライン」ビービー・レクサ(Song Review)
じわじわと人気拡大中、美しい旋律に心を奪われる1曲 / 「メント・トゥ・ビーfeat.フロリダ・ジョージア・ライン」ビービー・レクサ(Song Review)

 米ニューヨーク・ブルックリン出身のポップ・シンガー=ビービー・レクサと、カントリー・デュオのフロリダ・ジョージア・ラインがコラボした「メント・トゥ・ビー」が大ヒット中。ストリーミングが主流の昨今にセールスも好調で、発売から4か月で既に50万枚を突破した。

 「メント・トゥ・ビー」は、ビービー・レクサが2017年8月にリリースしたEP盤『オール・ユア・フォールト・パート2』からの2ndシングルで、10月の発売以降、順調にランキングを上げ、最新の米ビルボード・ソング・チャート(2018年2月17日付)で7位にランクインした。フィーチャリング・ゲストとして参加したデヴィッド・ゲッタの「ヘイ・ママ」と、Gイージーの「ミー・マイセルフ&アイ」が、どちらも全米TOP10入りを果たしているが、リード・アーティスト(ソロ)としては初の快挙。

 本作『オール・ユア・フォールト・パート2』は、ラッパーのグッチ・メインと2チェインズが参加した「ザッツ・イット」や、リル・ウェインをフィーチャーした1stシングル「ザ・ウェイ・アイ・アー」など、ブラック・ミュージックが中心の内容だが、アルバムのラストを飾る「メント・トゥ・ビー」は、フロリダ・ジョージア・ライン“寄り”のカントリー・バラードで、ビービー・レクサのキャリアの中では異色といえる。

 エミネム&リアーナの「モンスター」(2013年)など、ソングライターとしても実力が認められているビービー・レクサ、フロリダ・ジョージア・ラインの2人、【第56回グラミー賞】で<最優秀コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック楽曲賞>を受賞した音楽プロデューサー=デイビット・ガーシア等が楽曲を制作。ジャンルを超えたミュージシャンたちの才能が存分に発揮された名曲で、一度聴いたら頭にインプットされる美しい旋律に心を奪われる。米ビルボードの取材に、「自分らしさに溢れた美しい音楽」と、ビービー・レクサ自身も絶賛した。

 男気と優しさ溢れるタイラー・ハバードと、これまでの楽曲では表現しなかった、ビービー・レクサのゆっくり諭すようなボーカルが入れ違い、サビで重なり合うドラマチックな展開もパーフェクト。カントリーが基盤にあるものの、ビービー・レクサの今っぽさがセールス・ポイントとして見事に機能し、いわゆる“ダサさ”を緩和させている。

 ニューメキシコ最大の都市アルバカーキで撮影されたミュージック・ビデオは、現在までに2億視聴回数を突破。ルート66(と思われる)でヒッチハイクするシーンから、安宿を探し回り小さなカフェでウェイトレスとして働き、ライブハウスでセッションするという、夢を叶えるまでの過程を描いたような内容で、「運命ならそうなるだけ、あるがままいこう」と歌う歌詞の内容、楽曲のイメージともマッチしている。

 ビービー・レクサは、本作に続くEP盤『オール・ユア・フォールト・パート3』を今年中にリリースする予定。「メント・トゥ・ビー」のヒットを受け、今後の活躍も期待できそうだ。

Text: 本家 一成

◎リリース情報
「メント・トゥ・ビーfeat.フロリダ・ジョージア・ライン」
ビービー・レクサ
2017/10/24 RELEASE