【agehasprings】SOS団、wowakaが健闘~チャートインサイトから見える音楽シーンの多様化~
【agehasprings】SOS団、wowakaが健闘~チャートインサイトから見える音楽シーンの多様化~

 2017年9月4日付“Billboard JAPAN HOT 100”の23位にSOS団「ハレ晴レユカイ」がチャートインした。

 2006年5月10日にリリースされた「ハレ晴レユカイ」は、2006年から放送され空前の大ヒット・社会現象とまで化したアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』のエンディング・テーマとして起用された楽曲なのだが、そんな11年前にリリースされた楽曲がTwitter上で突如話題となり、“HOT100”にて23位に食い込むという現象が起きている。発端となったのは、8月25日から27日までの3日間、さいたまスーパーアリーナにて開催された一大アニメソング・イベント。通称“アニサマ”として、夏の終わりの風物詩にもなっている【Animelo Summer Live 2017】である。その初日であった25日のオープニングに同アニメで声優を務め、また同楽曲のオリジナル歌唱メンバーである平野綾、茅原実里、後藤邑子の3人が、ユニット・SOS団 としてサプライズ出演。同イベントで約11年ぶりに「ハレ晴レユカイ」を披露したのだ。この事態にLIVE会場は騒然。イベント参加者によって、次々とこの驚きがTwitterにポストされると、それがTwitterを介してイベントに参加していなかったファンにも波及し、一大バズとなった。LIVE会場というクローズドな現場で巻き起こったサプライズが、Twitterを通して大拡散し“Billboard JAPAN HOT 100”チャートインを果たした。

 “Billboard JAPAN HOT 100”は7つの指標のもとデータを算出して合算された複合チャートであり、Twitterもその指標の1つで呟かれた回数も合算されている。それらのデータをWeb上でも見ることができるサービスがチャートインサイトなのだが、チャートインサイトで「ハレ晴レユカイ」を見るとTwitter順1位を獲得している。Twitter順1位の結果、“Billboard JAPAN HOT 100”23位にチャートインするという健闘だ。これはまさに様々な指標を持つ複合チャートならではの現象と言えよう。

 そして「ハレ晴レユカイ」で起こった現象と同じく、Twitterでの投稿回数のみで“Billboard JAPAN HOT 100”にチャートインした事例が見られたので、そちらも紹介したい。

 2017年9月4日付“Billboard JAPAN HOT 100”91位にチャートインしているwowaka「アンノウン・マザーグース」feat. 初音ミクだ。同楽曲は8月30日にリリースされた、初音ミクのコンピレーション・アルバム『HATSUNE MIKU 10th Anniversary Album「Re:Start」』に、現在はバンド・ヒトリエのVo.&Gt.としても活躍しているwowakaが書き下ろした楽曲である。この楽曲をチャートインサイトで見てみると、Twitter順にて6位に位置している。人気ボカロPでもある彼が、2011年5月にニコニコ動画に楽曲「アンハッピーリフレイン」を投稿して以来、約6年ぶりのVOCALOIDを使用して発表した曲ということもあり、Twitter上ではトレンド入りするほど話題をさらい、その結果“Billboard JAPAN HOT 100”にチャートインするというアクションが起きた。

 今回注目した上記のような現象は、フィジカルの売上以外の指標も取り入れた、複合チャートでしか見られないチャートアクションだ。“Billboard JAPAN HOT 100”は、音楽の楽しみ方やプラットフォームが急速に多様化する今の音楽シーンにおいて、懐かしい楽曲との再会、そして新しい楽曲との出会いを可能にするヒットチャートであることを、あらためて実感した事例だった。      

Text:agehasprings Open Lab.