<2017年注目の洋楽アーティスト>“チルアウト系”のトラック「キャロライン」で人気急上昇の新星ラッパー、アミーネ
<2017年注目の洋楽アーティスト>“チルアウト系”のトラック「キャロライン」で人気急上昇の新星ラッパー、アミーネ

 オレゴン州ポートランド出身、1994年生まれの22歳、アミーネ(Amine)。2016年3月にリリースしたデビュー曲「キャロライン」が、ジワジワと人気を拡大させ、最新の米ビルボード・ソング・チャート(1月7日付)で、11位まで上昇するヒットを記録している。おそらく、1月中にはTOP10入りを果たすだろう。

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 「ギャングスタズ・パラダイス」(1995年)のヒットで知られるラッパー、クーリオのような上に立てた特徴的なヘアスタイルと、端正な顔立ち、今ドキのストリート・ファッションなど、ビジュアル面でも人気を集めているようだが、この曲がブレイクしたキッカケは、6月に公開されたミュージック・ビデオにある。

 アミーネと2人のバディが、車内の後部座席でユニークなポージングを取ったり、駐車場でハンバーガーを食べながら踊ったり、部屋でゲームをしながらまったりしたりする、若者の日常をそのまま描いたようなビデオが、10代を中心に人気を博し、公開半年で、6400万を超える視聴回数を突破した。ショートパンツやバナナ、壁紙など、イメージカラーであるイエローを全面に出した、ポップな仕上がりになっている。

 「キャロライン」は、2016年夏に大ヒットを記録した、D.R.A.M.の「ブロッコリー」のような、ユルめのトラップ・ソングで、制作はアミーンとアーヴィン・メフィアという、無名のアーティストがクレジットされている。“チルアウト系”のヒップホップ・ソングが、2017年は流行しそうな予兆をみせていて、「ブロッコリー」に続き、「キャロライン」の大ヒットも間違いなさそうだ。

 タイトルになっている「キャロライン」とは、女性の名前を指していて、アミーネ曰く、マイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」(1983年)に出てくる女の子のようなイメージ、とのこと。歌詞にはやや卑猥な内容も含まれるが、それを上手く、聴きやすくまとめ、サウンドに載せたアミーネのライム、そしてサウンドセンスに感服。

 これまでには、2014年にEP盤『アン・ヴォーグ』や、ミックステープ『オデッセイ・トゥ・ミー』、そして2015年に2作目のミックステープ『コーリング・ブリオ』をリリースしていて、間もなく「キャロライン」に続く2ndシングル「Baba」を発売する予定。流行に敏感なだけでなく、才能にも溢れている新星ラッパー、アミーネの活躍が、2017年は期待できそうだ。

Text:本家一成