“エホバの証人”のプリンス追悼式が厳戒態勢のなか営まれる
“エホバの証人”のプリンス追悼式が厳戒態勢のなか営まれる

 宗教法人“エホバの証人”の王国会館と呼ばれる集会所で5月15日の夜、プリンスの追悼式が厳重なセキュリティのなか執り行われた。プリンスは生前、同宗教を信仰していた。

 ミネソタ州ミネアポリス郊外のミネトンカにある教会前には道に三角コーンが並べられ、完全招待制で営まれた式にはメディアやファンが近づけない状態だった。市のスポークスウーマンであるKari Spreemanいわく、有名人50名を含め合計500人にわたる参列者のために警察が準備していたという。

 教会がいっぱいで中に入れなかった人々がプログラム表を入手することができており、それを外にいる報道陣へ公開した。

 プログラムによると、式は賛美歌「He Will Call」で始まりその後、開会の祈りが続いたとのこと。プリンスにエホバの証人の信条を紹介し、スピリチュアル・メンター(指導者)だった元スライ&ザ・ファミリー・ストーンのベーシスト、ラリー・グラハムの対談も行われた。式は賛美歌「See Yourself When All Is New」で幕を閉じ、閉会の祈りがささげられたようだ。

 また、裏にはプリンスのアルバム『3121』(2006年発表)に収録された曲「Beautiful, Loved and Blessed」からの引用があり、「私がもし自分の人生物語を書きとめることがあったなら、名声と栄光の全てを誠に語れたであろう。私は思いのままだった」などと綴られていた。

 2週間前のAP通信とのインタビューでグラハムは、プリンスにとって音楽でファンに喜びを与えることが重要だったとコメント。しかし、最も重要なことは聖書の中の言葉を共有できることだった、とした。

 グラハムは「彼の喜び……彼の最も大きな喜びは、永久に続く命の希望を共有することだった」と述べている。

 王国会館では“ブラザー・ネルソン(Brother Nelson)”として知られる存在だったプリンス。4月21日にミネソタ州チャナッセンにある自宅兼レコーディング・スタジオ“Paisley Park”で遺体で発見された。57歳だった。当局は依然として死因を調査している。

 なお、11日の夜には、プリンスの2人の元妻たちによる追悼式がロサンゼルスで行われ、多くの著名人が参列した。