CittY、新作EP『AKE NO MYOJYO』リリースツアーにてサルパラダイスと2マン+α
CittY、新作EP『AKE NO MYOJYO』リリースツアーにてサルパラダイスと2マン+α

 CittYが8月29日、東京・東新宿の<真昼の月 夜の太陽>にてライブイベント【サルシティ vol.4】を開催した。3rdミニアルバム『AKE NO MYOJYO』レコ発ツアーのセミファイナルとなるこのライブは、サルパラダイスとの共同企画。彼らとツーマンで演奏するのはタイトル通り4回目となる。

 長年の親交がある両バンドの恒例イベントだけあって、開演前の会場も和やかな雰囲気に包まれていたが、それをぶち壊すような轟音を鳴らして現れたのが、オープニングアクトのマジ勘弁ズ(マジカン)。千葉西海岸出身の覆面スリーピースバンドで、昨年夏に行われた【サルシティ vol.3】以来の登場である。マジカンはメロコア風にアレンジしたCittYの「あの夏のふたりは」とサルパラダイスの「四丁目カフェ」を披露して完全燃焼。残念ながら今回のステージを持って解散するそうだ。

 次に登場したのはサルパラダイス。“楽しさ”を訴求するバンドならではの躍動感あふれる演奏で、会場は一気にヒートアップ。当日は曇り空でやや肌寒かったが、真夏に逆戻りしたような熱気がやってきた感じだ。途中で、本イベントの人気企画である、お互いの曲をカバーするコーナーがあり、彼らは今回CittYの「なつやすみはおわらない」をチョイス。たおやかな歌唱と力強いリズムによって、この曲のメロディーの良さが際立ったカバーとなった。

 そしてCittYが登場。紅一点のグミ(ボーカル&ギター)は、暖色系の衣装を身にまとい、いつにも増して華やか。この日のステージは、ミドルテンポの「銀河鉄道」でスタート。岸田小石のグルーヴィーなベースに合わせるように観客も身体を小刻みに動かしていく。レコ発ツアーということで、新作『AKE NO MYOJYO』から、「東京ガール 上京ボーイ」「売れないバンドマンとつきあってる」といった人気曲を演奏したが、中でも?野寛がプロデュースした「波打ち際のチェリー」での美しいボーカル&ハーモニーは、会場にいたすべての人を魅了したに違いない。最後はライブの定番曲「夏なんですよ」「なつやすみはおわらない」で大いに盛り上げ、アンコールではソウルフルなバラード「Ballad Ballad」を演奏。同曲での、夏の終わりを惜しむようなグミの切ない歌声と、海に沈む太陽をイメージさせるバンドアンサンブルは、イベントのハイライトのひとつだったと多くの人が思ったはずだ。

 いよいよエンディング。両バンドはサプライズとして新曲を披露した。「18の夏」というタイトルで、サルパラダイスのユーコが作詞を、CittYの岸田が作曲を担当したオールディーズ風のバラードである。岸田曰く“恋のやり方もよく分からなかった青春時代を思い出してしまうドキドキな歌詞で、「翼の折れたエンジェル」とか「虹とスニーカーの頃」のような胸キュン青春ナンバー”に仕上げたそうで、演奏するのはこの日のみではもったいないと思えるほどの完成度の高さだった。

 良質な音楽を奏でる2バンドが、それぞれの個性を発揮しながら、お互いのスタイルをリスペクトし合うイベントは、出演者と観客、どちらにとっても貴重な体験になったことだろう。9月20日にはCittYのレコ発ツアーのファイナルとなるワンマンライブが<青山・月見ル君想フ>でおこなわれる。彼らが作り出す“最新型のニューミュージック”は、ポップスファンを自称する人ならば押さえておいたほうが良さそうだ。

◎ライブ情報
CittY 3rd mini album "AKE NO MYOJYO" レコ発ツアーセミファイナル
【サルシティ vol.4】
2015年08月29日(土)東新宿・真昼の月 夜の太陽

CittY 3rd mini album "AKE NO MYOJYO" レコ発ツアーファイナル・ワンマン
【夏うらら 私をCittYに 連れてって】
2015年9月20日(日)青山・月見ル君想フ
開場:17時30分 開演:18時30分
info:http://www.citty.jp

◎リリース情報
『AKE NO MYOJYO』
2015/07/22 RELEASE
1,500円(tax out.)